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【スポーツ】

平岡、圧倒V フランス国際柔道、井上は敗れる

2008年2月11日 朝刊

 【パリ=栗田晃】柔道の北京五輪日本代表の重要な選考資料となるフランス国際第1日は9日、当地で男女計7階級を行い、男子60キロ級の平岡拓晃(了徳寺学園職)が優勝した。

 平岡は初戦から準決勝まで4試合連続一本勝ち。決勝も昨年の世界選手権3位の崔敏浩(チョイ・ミンホ=韓国)から技ありを奪うなど圧倒し、優勢勝ちした。

 同66キロ級でアテネ五輪金メダリストの内柴正人(旭化成)、女子63キロ級の上野順恵(三井住友海上)が準優勝。女子57キロ級で昨年の世界選手権3位の佐藤愛子(了徳寺学園職)、同52キロ級の中村美里(東京・渋谷教育渋谷高)は3位に終わった。

 同48キロ級の福見友子(筑波大)は準決勝で敗れ、3位決定戦も負けた。男子73キロ級の大束正彦(東海大)は3回戦で敗退した。

 また、最終日は10日、当地で男女計7階級を行い、男子100キロ超級の井上康生(綜合警備保障)は準決勝でテディ・リネール(フランス)に延長の末敗れた。

 井上は初戦の2回戦でフランス選手に一本勝ち。3回戦はポーランド選手に延長戦の末、旗判定で辛くも勝った。4回戦はオランダ選手に残り12秒、大内刈りで一本勝ちしたが、準決勝はリネールに延長で効果を奪われ、昨年の世界選手権で敗れた同じ相手に屈した。井上は3位決定戦に臨む。

 その他の男子は100キロ級の穴井隆将(天理大職)が準決勝で敗れ、3位決定戦に回った。90キロ級の泉浩(旭化成)と81キロ級の小野卓志(了徳寺学園職)は1回戦から登場。

 女子78キロ級の穴井さやか(帝京大)は2回戦、78キロ超級の立山真衣(東海大)は1回戦で屈し、ともに敗者復活戦でも敗れた。70キロ級の上野雅恵(三井住友海上)は2回戦が初戦。

◆強さ本物、メダリストに技あり

男子60キロ級決勝で韓国選手に勝ち優勝した平岡拓晃=仏・ベルシー総合体育館で(朝倉豊撮影)

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 五輪4連覇を狙う巨星にまた一歩近づいた。男子60キロ級で平岡が、12月の嘉納杯東京国際に続き優勝。野村忠宏(ミキハウス)への挑戦権を完全に手中にし、「目標は代表じゃなく、北京で金を取ること。レベルの高い大会で、五輪のいい練習試合になった」と言ってのけた。

 決勝は五輪、世界選手権のメダリストである崔敏浩を面白いように攻めた。有効で先制すると、中盤の隅返しで技ありを奪ってリードを広げた。日本男子の軽量級担当の山本洋祐コーチも「負ければ後がないプレッシャーの中でよく勝った。野村頼みだったが、強い選手がもう一人出てきてくれた」と手放しでたたえた。

 スピード、技の切れともに非凡で、広島・近大福山高時代から「ポスト野村」を期待されてきた23歳。減量苦やけがに悩まされてきたが、ようやく軌道に乗った。右ひざ靱帯(じんたい)断裂を負い、今月末のドイツ国際で10カ月ぶりに復帰する野村の状態も含め、チャンスを広げたのは間違いない。4月の全日本選抜体重別選手権での直接対決に向け、「野村さんの4連覇が話題になる方が『何くそ』って燃えられるからいい」と不敵に笑った。

 (栗田晃)

 

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