2008年02月09日 更新

【柔道】“二人三脚”で北京行きだ!康生がフランス国際連覇狙う

大会連覇&五輪出場へ向け、井上(左)は現地フランスでの練習にも気合が入っていた(撮影・周伝進之亮)

大会連覇&五輪出場へ向け、井上(左)は現地フランスでの練習にも気合が入っていた(撮影・周伝進之亮)

亜希夫人

亜希夫人

 【パリ(フランス)8日=周伝進之亮】柔道のフランス国際(9、10日)に出場する日本代表チームが会場のベルシー総合体育館で練習を行い、100キロ超級代表の井上康生(29)=綜合警備保障=が大会2連覇へ気合の打ち込みを行った。優勝できないと、北京五輪代表選考で大きく後退する正念場に、1月に入籍した新妻・亜希夫人(25)も現地入り。10日の本番では、“二人三脚”で五輪への道を切り開く。

 遠くにエッフェル塔を眺める湖畔からもう一度、世界へよじ登る。内またに払い腰、そして大内刈り。井上が、鋭い踏み込みで打ち込みを続けた。北京五輪イヤーの大事な初戦。その目には、昨年足跡をつけた表彰台の頂点しか映っていない。

 「気合はずっと入っています。リネールへの意識? 負けていますし、(相手は)世界チャンピオンですからね」

 昨年9月のリオデジャネイロ世界選手権で、フランスの18歳、リネールの捨て身技に背中をつき、2回戦負けを喫した。今回は因縁の相手の“ホーム”。言葉は少なかったが、鋭い目つきがその心中を物語っていた。

 昨年大会は、決勝でルイバク(ベラルーシ)を内またから大内刈りへの連絡技で一本勝ちし優勝。05年1月の右大胸筋断裂を乗り越えた2年半ぶりの国際大会優勝が、世界選手権代表に直結した。昨年12月の嘉納杯東京国際は決勝で石井慧(21)=国士大=に敗れたが、欧州遠征に選ばれて五輪選考の“1次試験”を突破。1月の入籍後、初観戦する亜希夫人の前で、説得力のある結果を自力でつかむしかない。

 「こんな展開かな、というのは頭に入っています」。返し技や、足を取って押し倒す『朽ち木倒し』が流行する世界の“JUDO”に、同じ手は食わない。世界選手権無差別級優勝の棟田康幸(26)=警視庁、嘉納杯100キロ超級王者の石井と三つどもえの五輪代表争い。ミシュラン“三つ星”級の会心連覇で、格付けを上げてみせる。

★石井慧、康生に嫉妬!?

 柔道男子100キロ超級の石井慧(国士大)が8日、同級のライバルで新婚の井上康生(綜合警備保障)に対抗心をあらわにした。この日、オーストリア国際(16、17日)とチェコ国際(3月1、2日)に向け成田空港から出発。妻でタレントの東原亜希から手料理を振る舞われている康生に、「自分は賞味期限切れのモノを食べても大丈夫。ハングリー精神がある」と苦笑い。「勝ってアピールしたい」と、し烈を極める北京五輪代表選考で、一歩抜け出す自信を見せていた。