75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度が4月から始まることに伴い、県の高齢者医療費の負担額が、08年度は27億円増える見通しであることが分かった。所得の低い高齢者の保険料を軽減する補てん制度や、未納や給付増への対策基金創設などで新たな負担が必要なうえ、受給者数が増加し給付額も増えるため。国は一定の支援をする方針だが、県財政の圧迫要因となるのは確実だ。【辻加奈子】
従来の老人保健制度で県は約8%を負担。今年度予算では約85億2300万円だった。後期高齢者医療制度では新たな負担として、▽低所得者の保険料を軽減するため公費で補てんする「保険基盤安定制度」に約17億2200万円▽保険料未納や給付額急増に備えた「財政安定化基金」に約1億400万円▽高額医療費に対する支援に約2億2600万円--が必要となる。
さらに、新制度では県の定率負担割合は約8%と同じだが、高齢化が進むため総額が膨らむ。75歳以上の対象者は08年度13万9371人で、09年度には14万4020人と今後も増加する見通し。1人当たりの医療費も毎年約4%ずつ伸びており、08年度の県負担額は前年度比で約7億円増となる。
毎日新聞 2008年2月10日