韓国政府資料「後方戦史（人事編）」
慰安婦関連部分完訳及び解説

黒字部分：翻訳
青字部分：解説

表面化した理由のみをもって簡単に国家施策に逆行する矛盾した活動であると決め付けてしまうならともかく、実質的に士気高揚はもちろん戦争の事実による避けがたい弊害を未然に防止しうるのみならず、長期間の代価なき戦闘によって後方との行き来がないが故に異性に対する憧憬から引き起こされる生理作用による性格の変化等により抑鬱症及びその他の支障を来たす事を予防するために本特殊慰安隊を設置する事となった。

ここで、慰安所設置目的として士気高揚と弊害の未然防止をあげている。
士気高揚としては、具体的に抑鬱症及びその他の支障の防止としている。
また、戦争の事実による避けがたい弊害について具体的指摘はないが、強_姦や性病の予防を指しているものと推測される。
国家施策に逆行とは、1947年11月11日に公布された「公娼廃止令」を指しており、公娼が認められていた時代の日本の慰安婦制度と違い韓国の慰安婦制度は売春が違法であった時代の公娼であり、慰安婦制度の存在自体が国家犯罪であることが判るのである。

上記の解決を目的とし設置をすることになった本隊（訳者注：慰安隊）はソウル地区に　３個小隊　そして　
江陵地区に１個小隊を設置するようになった。
ソウル地区には
第1小隊　ソウル特別市中区忠武路４街１４８番地
第2小隊　ソウル特別市中区草洞１０５番地
第3小隊　ソウル特別市城東区新堂洞２３６番地　　　　
江陵地区
第1小隊　江陵郡城徳面 魯岩里
に各設置された

慰安婦は

ソウル地区第1小隊に　　　19名　　　
江陵第2小隊に　31名　
第8小隊に　　　 8名
江陵第1小隊に　21名で　計79名
一部部隊の要請により出動慰安を行い、所在地内においても出入りする将兵に限って慰安行為に当たった。
その他、春川・原州・束草等にも設置した。
慰安婦は一週に２回　軍務官の協力で軍医官の厳格な検診を受け、性病に対して徹底的に対策を講じた。

固定慰安所の所在地・規模がわかる資料である。日本他、世界各国の軍慰安所同様、軍医の診察による性病検査が行われていたことも判る。

ここに如斯活動の檀紀４２８５年度実績を一覧すれば、別表の通りとなる（附表　第３号　参照）動乱中、活動状況は年度別で大差なく、戦争行為とは深い相関関係にあるとはいえない。
しかし休戦に際しこのような施設の設置目的が解消されるに至り、公娼廃止の潮流に従い、檀紀4287年（１９５４年）3月早々　これを一斉に廃止した。

ここで注目されるのは、慰安所の廃止理由である。「公娼廃止令」により慰安婦制度が違法であり国家犯罪であることを認識していた点である。

*備考:計算間逢いによるもので実際は以下の通り。
*1=17,430　*2=19,040　*3=204,440　*4=この計算は訳者による。

韓国政府発表の後方戦史（人事編）では、韓国の慰安婦制度は国家犯罪であり、国もこれを認識していたことがわかる一級資料である。公娼が認められていた時代の日本の慰安婦制度とは国の違法性が明らかに違うのである。