カーセックスのぞいたヤツ、罰せないのか？

【サラリーマン実用辞典】
Ｑ　数日前、彼女とドライブをしていて、ついつい我慢できなくなって、人気のない脇道にそれてエッチをしてしまいました。しばらくして、２、３人の男たちがのぞいているのに気づいて大バトル。警察を呼ぶ事態になってしまったのですが、警官は苦笑して、悪いのは僕だと言う。なんでも僕たちは公然ワイセツ罪という罪になり、男たちは何の罪にもならないというのだ。そんなバカな。（会社員、２６歳、神戸市）（2006.01.23紙面掲載）

Ａ　うーん、相談者様にとって、ちょっとかわいそうなことになってしまったようだ。読者様のなかにも、警官の対応に、一瞬「なんで？」と首をかしげた方もいたと思う。実は、この警官が相談者様に言ったことはウソではないのだ…。
　さて、巷には、カーセックスという言葉がある。車の中でＨをしてしまうことだ。最近の若いカップルの間では、ごく普通の行為だと聞くし、車の中でコトに及ぶ方がより興が乗ると公言する年配の御仁もいるようだ。
　一口にカーセックスといっても、深夜の山の中でコトに及ぶ場合もあれば、人気のない海辺に止めた車の中で“いたす”場合もあるだろう。そして、相談者様のように人気のない道ばたに止めて、ということもあるようだ。
　しかし、人気のない山の中などで“いたす”のと違い、道ばたに止めてというのは法的に問題がある。
　ご存じのとおり車は窓ガラスの部分が多く、言ってみればガラスの箱。外から車内は丸見えである。そんな中でＨをすれば「どうぞみてください」というのと同じだろう。当然、人前でセックスをしていいのか、という問題になるのだ。もちろん刑法は公然わいせつ罪という罪を定め、人前でわいせつ行為を行うことを罰している。
　ところで、相談者様は一応人気のない道に車を止めてコトに及んだわけだが、まがりなりにも天下の公道で“いたして”しまったという。これはいかにもマズイ。
　公道である以上、いつ他人が通りかかるかわからない。法律的には公然性があるということになってしまうのだ。公然性のある道路に止めたガラス箱のなかでＨをすれば、公然わいせつ罪といわれても仕方がない。
　一方、Ｈをのぞいたデバ亀たちは処罰されないのか？
　これも結論からいうと難しいのだ。一応、軽犯罪法ではのぞき行為を処罰することになってはいる。しかし、軽犯罪法は、風呂やトイレといった、普段衣服をつけていない場所をのぞくことを処罰の対象にしているだけなのだ。車は含まれていない。つまり、車の中をのぞいても処罰されることはないのだ。
　納得いかないのはよくわかるが、現行法ではどうしようもない。ここはやはりホテル代をケチらずに、ラブホを利用することをお薦めしておこう。

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