露・爆撃機の日本領空侵犯で米空母艦載機も発進
2008. 2/10
ー西太平洋で作戦行動中の原子力空母『ニーミッツ』からー
[西太平洋へ向け1月24日、サンジェゴ海軍基地を出港した原子力空母"ニーミッツ"/写真提供:米海軍]
["ニーミッツ"級の原子力空母が搭載する主力戦闘機F/A-18"スーパー・ホーネット"/写真提供:米海軍]
[ワシントン発2月9日=デービッド・ハルスタム]日本の鳥島近海で2月9日、起きたロシア戦略爆撃機の領空侵犯事件で付近を作戦行動中の米海軍原子力空母『ニーミッツ』(97,000トン)からも戦闘機が緊急発進(スクランブル)していた事が判った。ワシントンの軍事筋が明らかにした。日本の防衛省によるとロシア空軍、戦略爆撃機トゥポレフTu-95『ベア』編隊の1機が2月9日午前7時30~33分にかけ本州南方、鳥島南約80キロ付近で日本領空を侵犯した。航空自衛隊の防空レーダーはサハリン付近から南下するロシア機をいち早くキャッチ。日本列島周辺の防空識別圏に接近して来た為、F-15『イーグル』、支援用の早期警戒管制機E-767型等を含む24機にスクランブルを命じた。航空自衛隊機の警告を無視して露空軍戦略爆撃機は領空侵犯を強行したが、この際米海軍の原子力空母搭載、戦闘機も緊急発進していた事が新たに判明した。ワシントンの軍事関係者によると米海軍のスクランブル機は『ニーミッツ』(97,000トン)の主力戦闘攻撃機F/A-18『スーパー・ホーネット』の編隊。同艦は1月24日、米西海岸のカリフォルニア州サンジェゴ海軍基地を出港、横須賀に向け作戦行動中という。
[米海軍原子力空母"ニーミッツ"艦載機のスクランブルを受けたトゥポレフTu-95戦略爆撃機の三面図]
[米原子力空母"ニーミッツ"級の戦闘指揮所(CIC)/写真提供:米海軍]
『ニーミッツ』級の原子力空母が外洋で作戦行動する場合はイージス巡洋艦、ミサイル駆逐艦、原子力潜水艦、補給艦が随伴行動する。今回の露戦略爆撃機の日本列島周辺での行動はこうした米海軍原子力空母機動部隊への偵察活動と威嚇も含まれていると見られる。