2008年02月09日 更新

「焦らない、無理しない、夜更かししない」松井秀“3ない”誓う

手を振って出発する松井秀。今年は“3ないキャンプ”でレギュラー獲りを目指す

手を振って出発する松井秀。今年は“3ないキャンプ”でレギュラー獲りを目指す

 日本人大リーガーが8日、キャンプインに備えて続々と米国へ旅立った。6年目を迎えるヤンキース・松井秀喜外野手(33)は成田空港発の航空機で米ニューヨークに向け出発。20日(日本時間21日)から始まる野手組キャンプでは「焦らない」「無理をしない」「夜更かしをしない」の“3ない”を心がけて外野の定位置確保に挑む。

 空港に居合わせた大勢の搭乗客に励まされながら、松井秀は出発ゲートへと向かった。昨年までと同じ光景だったが、気持ちは大きく異なっていた。

 「昨年まではレギュラーがある程度、保証されていたけど、今年はまったくないわけだから。プロ1年目のときのような新鮮な心境です。“焦らない”で“無理をしない”ようにします」

 20日から始まる野手組キャンプを前に、まずは(1)焦らない、(2)無理をしない、をキーワードに挙げた。昨年11月に手術した右ひざ周囲の筋肉は数値の上では元に戻りつつあるが、本来の力強さにはほど遠い。本格的なランニングもいまだにできていない状況だ。

 だからといって焦って無理をして、痛みや腫れが出たら元も子もない。外野の定位置確保のために首脳陣へのアピールは必要だが、野球に必要な動きができるようになるまではマイペースを貫く心構え。準備がととのったら、控え扱いの首脳陣の構想を覆すだけの自信はある。

 「あと、真夜中型だった生活を改めて早めに休むように努めます」

 (3)夜更かししない、も加えて“3ないキャンプ”の誓い。昨年までのキャンプでは夜間練習や体の手入れを終えて床につくころには午前2時、3時ということもあったが「もう若くないから」となるべく前倒しで行うつもりでいる。(4)試合に出られない、という“4ない”にならないよう、心を強く持って戦いの地へと旅立った。

★松井に聞く

 −−渡米を前にした抱負を

 「今年は例年と違う気持ちがあります。しっかりとやりたい」

 −−例年と違う気持ち、とは

 「今年は厳しい立場なのでそれを自覚してやっていきたいです。いつもとは違う、ということがいい方向に行ってくれればいい。楽しみといえば楽しみです」

 −−昨年11月に手術した右ひざの状態は

 「トレーニングはしっかりできました。リハビリも順調。ある程度は回復しています。ただ、どこまで野球ができるかがはっきりしていない。ニューヨークで執刀医に診てもらってから(キャンプ地の)タンパに入りたいです」

■松井秀の今後の予定

 12個の段ボール、2個のスーツケースなどを持って米ニューヨークへ向かった松井秀は到着後、マンハッタンの自宅で荷物整理を行う。その後、時間があればヤンキースタジアムに行って体を動かす予定。右ひざ手術の執刀医の診察を受けた後、来週の中ごろまでには米タンパに入って「プレキャンプ」を実施。20日の野手組キャンプインに備える。

★建設費1391億円!ヤンキース「五つ星」新球場

 2009年にオープン予定の新ヤンキースタジアム=写真(AP)=の建設費が13億ドル(約1391億円)に達する見込みとなった。AP通信によると、51の豪華個室に加えて8カ所の大個室、会員制レストランなど高級感が売りもの。中堅後方の映像用スクリーンは現在の約6倍で、約18メートル×約31メートルの大きさになるという。ヤンキースのロン・トロスト最高執行責任者は「五つ星ホテルの高級感を反映させ、その真ん中にフィールドを据えようとした」とAP通信に説明している。

(共同)