現在の活動フィールドはYahoo!知恵袋である。様々な質問が飛び交い、答えられるものについてはできる限り答えるようにしている。
それは質問者の役に立つと言うことと、自分自身の知識を増やす取材行為でもある。
質問を見ていると、特にパソコン関連の記事で顕著なことだが「○○する方法を教えてほしい」という案件が頻繁にある。
もちろんそういう質問は好ましいことである。やり方を尋ねて、それを実施したいという考え方は好ましい。
しかし、質問文からただよってくる香りには、「現時点ではやり方を知らないが、ここで教えてもらって一発で成功させたい」と感じさせるものが多々ある。
確かにパソコンは便利な機械で、ユーザの要望に応じていろんなことが実現する。しかし、それを楽しむにはある程度の知識や技術、カンが要求されている。
汎用機として存在しているため、扇風機やラジオのようにボタンを押せばすぐに何とかなるというわけにはいかない。
CUIベースのシステムの場合はコマンドを正確に入力しておけば、ほぼ間違いなく望みの結果が得られる。しかしWindowsなどのGUIベースでは、2次元的に情報を見渡す必要があり、操作はCUIに比べてかなり煩雑である。
よってそう簡単に「やり方を教わりました→その通りやりました→できました」という図式は成り立たない。
ここが頭の痛いところで、説明を受ける側も、説明する側も割り切れない要素を残さざるを得ない。
説明通りに行っても、説明が不十分だと結果は変わるし、説明が十分でも、細かい操作が欠落すれば結果は得られない。
これがGUIシステムの隘路である。
そしてユーザの隘路でもある。
現在のパソコンを使うには、一発でオッケーを求めてはならない。
慣れるまで、思う結果が出るまで、何度も何度も試し続けるのが基本である。
それを面倒だと思う人が、多く感じる。
「自分の周囲には上手な人がたくさんいて・・・だから自分も彼らのようにサクサクと使いこなしたい」この気持ちは大切なことだが、その彼らも現時点に至るまでに相当な量の試行錯誤を繰り返しているはずだ。それを終えて、ようやく自由自在に好きな作業ができているのである。
早くマスターしたいという気持ちは誰も同じだと思うが、早くマスターするための最短経路が試行錯誤であると思って欲しい。
単純な装置でない限り、手懐ける訓練は必要である。
それを省いてマスターするのは無理な話である。