【モンチェゴルスク(ロシア北部)近郊で大木俊治】夕刻、垂れ込めた雲の切れ目に地平をはう太陽が顔をのぞかせ、その左右に虹色の光の柱が姿を現した。垂直に伸びる様は、天空に現れるオーロラとは一味違う北極圏の冬の風物詩だ。
気温は氷点下10度程度。それでも今冬は暖冬という。光のモニュメントは、地元の人に春への希望を呼び起こす。
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民間気象会社「ウェザーニューズ」によるとこの光の柱は、「幻日」と呼ばれる気象現象とみられる。氷の粒がプリズムの働きをして太陽光を屈折させ、太陽から離れた場所に光の柱などが見えるもの。厳しい寒さで、太陽と同じ高度に氷の粒が縦方向に長く分布するとこのように見える。幻日は日本では点状に見えることが多く、地上付近で柱状に見えることは珍しい。【河内敏康】
毎日新聞 2008年2月7日 12時45分 (最終更新時間 2月8日 10時41分)