自分の写真を載せたり、自己紹介するインターネットの「プロフィルサイト」(通称プロフ)。携帯電話やパソコンで見られるプロフを開設しているのは中学生で14・5%、高校生で32・5%に上る―。こんな実態が、玉野市教委が市内の子ども約二千八百人を対象に行ったアンケートで分かりました。
高校生の三人に一人が自分のプロフを持っている実態を知り、ネット上で商店街を展開する楽天の幹部から聞いた言葉を思い出しました。草創メンバーの一人で当時、副社長だった彼が言ったのは「インターネットは『個』に力を与えた」との言葉。これは、ネットを通じれば、地方の個店であっても幾万もの顧客を手にすることができる。個人一人でもネットで情報発信できる―そんな「個」が得たパワーを表現した言葉だと思います。
何の変哲もない町で、ごく普通に暮らす子どもたちが、世界に向けて情報発信できる。プロフはそんな力を秘めています。自分のことを広く伝えると言えば、ネット上で日記風にメッセージをつづるウェブログ(こちらは通称ブログ)も盛ん。プロフやブログを通じ、これまで存在さえ知り得なかった、いろんな人々とつながり合えるのは確かでしょう。
でも、プロフやブログを開設してまで、顔を見たこともない赤の他人に、自分のことをさらけ出したいのでしょうか。たとえ、ネット上だけで演じる別人格の自分だとしても。実はそれがどうにも、ふに落ちないところ。顔写真付きでこのコラムを書いている私が言うのもなんですが…。
(玉野支社・小松原竜司)