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【静岡】伊豆南部6市町 共立湊病院09年度撤退へ 医師不足で経営困難2008年2月10日 伊豆半島南部の6市町でつくる一部事務組合による共立湊病院(南伊豆町)の運営を10年間受託してきた社団法人「地域医療振興協会」(東京都)が、2009年度から撤退する意向を示している。医師数が不足し、現状では経営が困難なためだが、へき地医療の後退につながる恐れがあり、早急な対応策が迫られそうだ。 (下田通信部・山谷道尚) この病院は、下田市と南伊豆、河津、松崎、西伊豆、東伊豆の5町が出資する公設民営病院で、国立湊病院から移譲を受けて1997年に開設した。自治医科大OBで組織する地域医療振興協会と、今年3月までの運営委託契約をしていた。 今月6日の病院運営協議会で、協会の吉新通康理事長と小田和弘病院長が組合管理者の鈴木史鶴哉・南伊豆町長らに対し「経営が難しいうえ、医師と看護師が少なく、今の勤務体制がハードで厳しい」との理由で撤退の意向を示した。 協会との10年契約が今年3月末で切れるため、組合は2008年度から3年間、指定管理者とする再契約を要望していた。撤退は1年前に通告しなければならないことから、協会は08年度は運営するとした。 組合によると、医師は常勤、非常勤合わせて14人、看護師は94人。下田市と南伊豆町の患者が大半を占める外来患者は、1日平均で約400人あったのが約300人にまで減少し、入院患者も150床に115人。経営状況は06年度が赤字で、07年度も赤字が見込まれるという。 鈴木町長は「住民の皆さんの不安をあおらないようにし、地域医療を後退させないで存続していきたい」。石井直樹・下田市長も「県に間に入ってもらい、対応策を考えていかねばならない」と事態の打開を模索する。 しかし、老朽化に伴う新病院建設構想は、候補地などをめぐって意見がまとまらず「(協会には)耐震化もできない状況に加え、移転・新築も前に進まない状況へのいら立ちもある」と指摘する関係者もいる。
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