特集|新米食べつくし!(2)

もっとたくさんご飯を食べよう!魅惑のカレーワールド

子どもから大人まで、みんな大好き!なカレーライス。ジャガイモごろごろの定番家庭カレーもいいけれど、たまには各国のカレーを作ってみませんか?本場インドのチキンカレー、エスニックな魅力あふれるタイカレー、正統派イギリスのカレーに、どこか懐かしい和風カレーまで4種類のカレーを、新潟市内の料理人の皆さんから家庭用にアレンジしてもらった。ぴかぴかの新米をもりもり食べよう。



おそば屋さんのカレー

じっくり取った上質のカツオダシが決め手
 おそば屋さんでいただくカレー南蛮には、独特の魅力がある。それは、スパイシーなカレーの香りに負けないカツオダシが、味をきりりと引き締めているから。新潟市古町通8の老舗やぶそばのカレー南蛮は、良質のかつお節をふんだんに使った自家製のだしとかえしを使った本格的な味わい。味付けにはカレー粉と片栗粉を混ぜたものを用意し、好みの辛さに仕上げる。そばやうどんはもちろん、粘度を工夫すれば新米にも合う。


【 レシピ 】---------------------
●材料(1人分):鶏モモ肉60g、タマネギ小1個、つゆ600cc(かつお節、しょうゆ、砂糖、みりん各適宜)、片栗粉・カレー粉・グリーンピース各適宜

●作り方:(1)だしをとる。水2リットルを沸騰させ、ひとつかみのかつお節を入れ、水が3分の1程度になるまで煮詰めてからこす。 (2)しょうゆ(薄口・濃い口を混ぜるとよい)10:砂糖2:みりん1の割合で混ぜて火を通したかえしを作る。 (3)だしとかえしを2:1の割合で混ぜてかけそば用のつゆを作る。 (4)片栗粉3に対してカレー粉1の割合でよく混ぜておく(A)。 (5)小鍋につゆ600ccを入れて沸騰させる。 (6)くし形に切ったタマネギ、小口にそぎ切りにした鶏モモ肉を入れて煮込む。 (7)火が通ったら水で溶いた(A)を少しずつ加えてよく混ぜる。 (8)好みのとろみがついたら火を止め、ご飯、そば、カレーなどにかけ缶詰のグリーンピースを飾る。
写真
家庭ではかけそば用のつゆを使ってもOK。水溶きしたカレー粉+片栗粉は少しずつ入れて味をなじませる。
写真

写真 写真 やぶそば●新潟市古町通8番町1490●TEL.025(222)7982●営業/平日、土曜は11:00〜20:00、日曜、祝日は11:00〜19:30●水曜および1月1日、2日休●昭和元年創業、現在の場所に昭和25年に移転した老舗のそば店。お薦めは、そばの香りがたまらない手打ちせいろ。定番そば・うどんのほかそば会席や季節感あふれるメニュー構成が特徴で、ランチタイムメニューも多彩。一品料理や地酒も豊富で、そば打ちの様子が見える掘りごたつの個室もある。カレー南蛮(そば・うどん)は850円。写真は専務の岸本裕一さん。



エビのグリーンカレー

市販のグリーンカレーペーストで手軽に
 エスニック料理が注目される中でも、さわやかな辛さのタイカレーは人気上昇中だ。タイでは家庭の数だけカレーがあるといわれており、ひと口にタイカレーといっても素材も色もさまざま。今回はタイ・ベトナム料理の蘭タイでエビのグリーンカレーを教わった。野菜たっぷり、彩りも美しいタイカレーは、素材をそろえておけば15分ほどでできる。つくりたてを食べるのが一番。


【 レシピ 】---------------------
●材料(4人分):ココナツミルク300cc、グリーンカレーペースト大さじ3、ナンプラー大さじ2、砂糖大さじ1、ナス2本、ふくろ茸8個、エビ8匹、シシトウ8個、パプリカ(赤)8切れ、プチトマト8個、バジルの葉適量、バイマックルー(こぶみかんの葉)2枚

●作り方:(1)厚手の鍋を弱火にかけ、ココナツミルク、グリーンカレーペーストを3分ほどいためる。 (2)クリーミーになったらナンプラー、砂糖を入れて煮る。 (3)小さめの乱切りにしたナス、ゆでこぼして縦2つに切ったふくろ茸、背開きにして背わたをとったエビを入れて絡め、水300ccを加える。 (4)へたを取って斜めに2つ切りしたシシトウ、4cmほどの長三角切りしたパプリカ(赤)、へたを取ったプチトマト、大きめにちぎったバジルの葉、極細切りにしたバイマックルー(こぶみかんの葉)を入れてひと煮立ちさせ出来上がり。
写真
バイマックルーがなければバジルを多めに刻んで入れてもよい。ふくろ茸がない場合はシメジでも可。本来タイ米が一番合うが、コシヒカリの場合はやや硬めに炊くのがコツ
写真

写真 写真 蘭タイ●新潟市天神1-19-10●TEL.025(244)5828●営業/17:30〜24:00(金・土・祝前日〜翌1:00)●無休●元国際線の客室乗務員だったオーナー・早川祐子(写真右上)さんが12年前にオープンした、タイとベトナム料理の店。おしゃれな店内では、リゾート気分と隠れ家気分が味わえる。エビ、チキン、ビーフと3種類そろったカレー(997円)は香りのよいジャスミンライス(高級タイ米)を使用。さらりとしたカレーとよく合う。さわやかな辛さはくせになりそうだ。写真右下は今回調理してくれたスタッフ。



南インドのチキンカレー

スパイスの重厚なハーモニーがたまらない
 カレーの本場インドからは、新潟市のインド料理店プージャの豪快なレシピを紹介しよう。野菜カレー、フィッシュカレー、豆のカレーなど材料によって使うスパイスが違うが、今回は何種類もの香辛料とココナツミルクで作るチキンのカレーを。スパイスはプージャで購入することもできる。オーナーいわく「タマネギをよくいためれば日持ちがします。今日より明日、明日より明後日がおいしい」とのこと。大鍋でたっぷり作ろう。


【 レシピ 】---------------------
●材料(6人分):鶏モモ肉1キロ、サラダ油50cc、カレーリーフかベイリーフ3、4枚、シナモン1片、クローブ5個、マスタードシード小さじ1、クミン小さじ2分の1、すりおろしたショウガとニンニク各20g、ターメリック大さじ1、チリパウダー(赤唐辛子の粉)大さじ1、コリアンダーパウダー大さじ1、クミンパウダー大さじ1、ガラムマサラ小さじ1、ホールトマト(缶詰)3つ、トマトジュース500cc、タマネギ1個、塩小さじ2、ココナツミルクパウダー150g、水1,500cc

●作り方:(1)大鍋にサラダ油を熱し、あたたまったらカレーリーフ(ベイリーフでも可)、シナモン、クローブ、マスタードシード、クミンを入れ、パチパチとはじける音がしなくなるまでいためる(約1、2分)。 (2)そこにみじん切りしたタマネギを入れて茶色くなるまでよくいためる。 (3)さらにすりおろしたショウガとニンニク、塩を入れ、そぎ切りにした鶏モモ肉を入れよくいためる。 (4)肉をよくいためたら、ターメリック、チリパウダー、ガラムマサラ、コリアンダーパウダー、クミンパウダーを加えてよく混ぜ、トマトジュースとホールトマトをつぶして加える。 (5)ミミキサーに水1,500cc、ココナツミルクパウダーを入れてかくはんし、Cの鍋に入れる。 (6)20分煮込み、味見をして塩気が足りないようなら塩を加える。
写真
残ったら容器にふたをして冷蔵庫へ。冷凍もできる。ココナツ味が苦手な場合はココナツミルクパウダーを入れずにトマトジュースの量を増やすと、トマトベースのチキンカレーになる
写真

写真 写真 プージャ●新潟市西堀通4番町816 神野開発ビル2F●TEL.025(223)9225●営業/11:00〜14:30、17:00〜22:00(土・日・祝日11:00〜16:00、17:00〜22:00)●無休●プージャはオープン11年目を迎えたインド料理店。オーナーのイザーク・マティアスさんをはじめ、スタッフはすべて南インド・ウドゥピ出身だ。チキンカリーは950円。ライス200円、サフランライス300円、ナン360円と一緒にどうぞ。2種類のカレーが選べるお得なランチやセットメニューも豊富。



チキンカレー「ホテル風」

白いご飯によく合う! 家庭で簡単にできるイギリス風カレー
 カレーレシピの最後は、新潟を代表する老舗ホテルのイタリア軒から教えていただくカレー。ホテルの本格カレーは作るのに3〜4日かかるということで、新田見晃シェフに家庭でできる“ホテル風”チキンカレーのレシピを教えてもらった。タマネギをじっくりいため、骨付き鶏モモ肉を香ばしく焼いて仕上げる一品だ。明治の香り漂うレトルトカレーを使った野菜たっぷりごちそうカレー、カレーによく合う巨峰ラッシーもあわせて紹介しよう。


【 レシピ 】---------------------
●材料(4人分):骨付き鶏モモ肉4本、バター50g、ニンニク2かけ、ショウガ15g、タマネギ2個分500g、カレー粉40g、強力粉20g、鶏ガラスープの素適量

●作り方:(1)鶏モモ肉に軽く塩をして手でよくもんでおく。 (2)鍋にバターを弱火で溶かす。薄切りにしたニンニクとショウガ、薄切りにしたタマネギを入れ、弱火で40〜50分いためる。 (3)カレー粉と強力粉を加え、弱めの火でさらにいためる。 (4)粉が溶け香りが立ってきたら水1.2リットル、鶏がらスープの素を加え、沸騰したら弱火にする。 (5)フライパンにサラダ油を熱し、骨のところに切れ目を入れた鶏モモ肉を弱火で皮からこんがり焼く。 (6)鍋に脂を切った鶏肉を入れ、肉が柔らかくなるまで30分ほど煮込む。
写真
タマネギはごく薄く繊維に沿って切り、色づくまでじっくりいためるのがコツ。焦げてきたら水を足す。鶏モモ肉は関節から3等分してもよい
写真

写真 写真 ホテルイタリア軒●新潟市西堀通7番町1574番地●TEL.025(224)5111(代表)●日本で最初の本格的な西洋料理レストランとして明治7年に創業。瀟洒(しょうしゃ)な洋館と料理は「新潟の鹿鳴館」と称されたという。レトルトカレー、ミートソース、ハヤシはお土産に人気だ。なお1階マルコポーロではご紹介したカレーの本格バージョン(4日間かけて作るイタリア軒特製クラシックカレー)を期間限定で提供。ぜひご賞味あれ。●彩り野菜とスパイシーカレー 9月8日〜14日●骨付きチキンのクラシックカレー 9月15日〜21日
※いずれも11:00〜15:00 1日15食のみ スープ・サラダ・デザート・コーヒー付きで1,300円




戻る