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目的主導型説教・概要

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リバイバル新聞

19月 2007 - 14:57

2006年５月の米国「PDC（目的主導型教会）カンファレンス２００６」において、リック・ウォレン牧師（サドルバック教会）自らが５年振りに「説教セミナー」を行った。PDCの中核をなす説教の哲学・構造をここに紹介する。

（記事提供：リバイバル新聞）

No Comments | Tags: 第1部　説教の目的を知る　①～④

15月 2007 - 9:37第４部　人生を変える語り方⑫　コミュニケーションの達人を目指して　（最終回）

最後に、あなたにチャレンジします。【残りの生涯を、コミュニケーションの達人になることに捧げてください！】これはただ１回のセミナーで学べることではありません。生涯を掛けて追求していくことです。その方法を紹介します。

いろいろな説教を聞く
様々な説教は、ただ文字で「読む」のではなく、実際に「聞く」ことに価値があります。あなたが良い語り手になるには、良い語り手の話を「聞く」必要があります。良いコミュニケーターになりたかったら、模範となるコミュニケーターのテープを聴きましょう。テープは「内容」と「解放（伝達方法）」の両方が学べるので、書籍よりもはるかにすぐれた発明です。
繰り返しますが、コミュニケーションはタイミングがすべてです。模範となるコミュニケーターから学ぶべきはタイミングです。あなたの説教スタイルと似たお手本を探し、その人のテープを聴いて下さい。私はサドルバック教会に赴任したとき、給与額は気にしませんでしたが、「テープ購入予算だけは無制限にして欲しい」と頼みました。私は他の牧師たちのメッセージを聞いて、「あ、この言い回しは使えるな」と思ったら取り入れます。他人の書いた解説書や注解書を説教に取り入れるのなら、なぜ他人が語った解放（伝達方法）を取り入れないのでしょうか。注解書もテープも、他の人からアイデアを学ぶという点では違いはありません。
私たちは互いに助け合うべきです。あなたが私の説教アイデアを使うとき、私から許可を取る必要はありません。私よりもうまく解放して、さらに良い仕事をして下さい。

実践する
パウロの言葉にはこうあります。「あなたがたが私から学んだこと、聞いたこと、私について見たことをすべて実行し続けなさい。そうすれば、平和の神はあなたがたと共にいてくださいます」（ピリピ４・９　ＮＬＴ）。学んだことを実践して下さい。あなたは一晩で上達するわけではありません。歳を重ねるにつれて、より良くなっていくのです。

上達できるよう神に祈る
　あなたがより良いコミュニケーターになれるように祈って下さい。「それから、主はその御手を伸ばして私の口に触れてから、言われた。『見よ。わたしはあなたの口にわたしのことばを授ける』」（エレミヤ１・９　ＮＣＶ）。私はこの御言葉が好きです。私があなたに伝えてきたのは、永遠に関わる適用です。私たちが正しく語るか否かで、人々が天国に行くか地獄に行くかが決まります。これは真剣な事柄です。私たちは常に主に祈り求めましょう
◇
父よ、私たちはみな一つの体、神の家族です。私たちはあなたに仕え、あなたについて語るという世界最高の特権を与えられています。人を恐れて語るべきことを控えていたことや、愛を持って語らずにいたこと、そして私たちの準備不足ゆえに神の御言葉を退屈な説教にしてしまったことを、どうぞ赦して下さい。
私たちの心を清め、あなたの霊で満たして下さい。私たちは誰の人生も変えることはできません。それができるのはあなただけです。聖霊様、どうか私たちを通して働き、新しいリバイバル、新しい教え、新しい説教を世に送って下さい。私たちが健全にバランス良く成長し、神の目的に沿った者として建て上げられますように。私たちが御言葉を明確に、単純に、正直に、もっと肯定的に実践的に興味深く、励ましと愛を持って語れますように。そして聞く者たちの人生に変化が訪れ、家族が回復し、ドラッグから解放され、奇跡が起きますように。
イエス様、あなたが模範です。あなたのようになりたいのです。あなたの教会の成長と、あなたの御名の栄光のために、私たちがコミュニケーションの達人となれますように。相手が１人でも１００人でも、心を尽くし魂を尽くし愛を尽くして語れますように。そしていつかあなたの御前に立つとき、「よくやった。良い忠実なしもべだ」と言われることができますように。主イエスの御名によって祈ります。アーメン。

2007年7月１５日号、リバイバル新聞　掲載

No Comments | Tags: 第4部　人生を変える語り方 ①～⑫（完）

8月 2007 - 11:27第４部　人生を変える語り方⑪　愛がないなら、すべて無意味

　効果的で説得力のある説教をするために、もっとも大切なことを今から伝えます。
あなたが本当に人々をキリストにあって歩ませ、人生に変化をもたらすために、インパクトのある説教を語りたいですか？　もしそうならば、他のことを差し置いてでも、あなたがしなければいけないもっとも重要なことは、人々を愛することです！
　ある牧師は「私は説教を愛しています」と言います。その人はただステージ上で群集から注目を浴びて良い気分に浸りたいだけです。私はあなたがいかに説教を愛しているかなど関心ありません。私はあなたがいかに説教対象である人々を愛しているかに関心があります。
自慢ではなく、謙虚に言わせてもらいますが、サドルバック教会の人々は、私の導くところ、どこにでも従ってくれるでしょう。彼らは私を信頼しています。私が「さあ、これをやろう」と言えば、「オッケー、リック。そうしよう」と返事してくれるでしょう。なぜなら私は本当に彼らを愛していて、そしてそのことを彼らも知っているからです。もしかしたら１年間程度なら偽善の愛を装うこともできるでしょう。けれど25年以上も偽り続けることはできません。愛しているか否か、が明らかになります。
　以前、教会に隣接する敷地40エーカーを購入した際、購入金額を事前に教会に公表することができませんでした。先に公表したら、他の競売相手がそれより低い金額を入札で提示してしまうからです。私はミーティングで言いました。「これからあの土地を買おうと思います。あの土地はこの教会のマスタープランのために必要なものです。けれど予定金額や期間については公表できません。ここで公表してしまうと、もっと安い金額を競合相手に提示されてしまい、私たちがあの土地を購入するチャンスを失ってしまいます。だから私を信頼して下さい」
私たちの教会では、プレッシャーを感じさせないため挙手での投票はしません。一人ひとりが投票用紙を入れます。そして集計の結果、満場一致で値段を知らないまま土地購入に賛成してくれました！　これは、彼らが私に愛されていると感じている証拠です。
　私はあらゆるときに、私の必要ではなく彼らの必要を満たしてきました。この教会を間違った方向に導くくらいなら、死んだほうがましです。他人の利益のためにこの教会を傷つけるくらいなら、死んだほうがましです
私たちは人々を愛さなければいけません。良い羊飼いは羊のために命を捨てます。私は土曜と日曜にステージに上がるたびに聴衆を見渡して、同じようにこう祈ります。「神様、私はこの人々を愛しています。彼らは私を愛しています。私はあなたを、あなたは私を、あなたはこの人々を、愛しています。愛には恐れがありません。完全な愛は恐れを締め出します。ここに集まっているのは恐れさせるべき群集ではなく、愛すべき家族です」
聖書には「もし私に愛がないなら、私が何を語ろうと、それはうるさいドラや、やかましい鐘以外の何ものでもありません」（Ⅰコリント13・１　ＧＮ）と書いてあります。
　もしあなたが、神から託された人々への愛を持っていないなら、この説教セミナーで学んできたことはすべて無意味です。
　コミュニケーションにおける最重要項目は、「好感が持てること」です。コミュニケーション能力について学べば学ぶほど、その本質として最も重要なのは、「好意力」であると分かります。もし人々があなたに好意を持つなら、人々はあなたの話を聞きます。人々があなたに好意を抱かないなら、あなた自身や説教内容がどんなに真理であっても、人々はあなたの話を聞きません。
私たちへの問いかけはこうです。「どうすれば人々はあなたに好意を抱くようになりますか？」。そして答えは簡単です。「愛すること」です。あなたが人々を愛すると、人々はあなたに好意を抱かずにはいられません。教会には、誠実に人々を愛する偉大なコミュニケーターが必要不可欠です。
聖書にはこうあります。「恥じるところのない働き人として、みことばの真理を最大限に活用できる者となれるように努め励みなさい」（Ⅱテモテ２・15　Ｐｈ）。これが私がこのセミナーで言い続けてきたことです。

2007年7月8日号、リバイバル新聞　掲載

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1月 2007 - 14:57第４部　人生を変える語り方⑩　主イエスもユーモアを使った

　　興味の持てるような人間ドラマ（物語）を例話に用いる
　「イエスは、群衆に対してはいつもたとえを用いて話された。事実、…彼は群衆に対して話をするときには、少なくとも一つのたとえを用いて話をされた」（マタイ13・34―35　ＬＢ）
　私が神学校にいた頃、教授たちは「諸君、物語を語るのではなく、御言葉を説教しなさい」と教えましたが、彼らはコミュニケーションの達人であるイエスこそが物語を語っていたという事実を否定しています。もっとも効果的でエンターテイメントとなる語り方とは、ストーリーテリングです。教えようとしている原則に、「あなたの個性」という洋服を着せることです。
　今日、もっとも世の中で興味を持たれている雑誌は、雑貨屋のカウンターの前においてある、人物雑誌です。私たちは、ごく自然のこととして、人間に興味があるのです。あなたが長々と説教している最中に居眠りしている聴衆は、物語を聞きたいのです。

　　ユーモアを忘れない
　「未信者に対しては、彼らの受け入れやすい方法で、ユーモアの風味を添えながら話をしなさい。そして、あなたの答えが相手の必要に応えるものとなるように努めなさい」（コロサイ４・６　ＪＢ）
　じつは、イエスはその教えのなかにユーモアを数多く取り入れています。山頂の垂訓は冗談の固まりで、笑いの連続です。これはヘブル・ユーモアで、〝誇張〟によるユーモアです。本当は面白いのですが、西洋人はこれを認識できません。
　「隣人の目からちりを取り除く前に、まずあなたの目の梁を取り除きなさい」と言えば、「目のちりの前に目の梁!?　あっはっは。イエス様、たまりませんね！」と笑いのツボです。「金持ちが天に入るよりは、らくだが針の穴を通るほうが簡単です」と言えば、「わっはっは！　らくだが針の穴を通る!?　面白すぎます！」となります。「パリサイ人たちはぶよは除くが、らくだは飲み込みます」と言えば「うっはっは！　もうお願いだからやめて！」です。
　比べて、私たちはどうでしょう。「さて、『ぶよ』のギリシャ語は…」。完全にポイントを失ってます！　イエスは面白かったのです！
　聖書には「多くの群衆が、イエスの話に喜んで耳を傾けていた」（マルコ12・37　ＮＩＶ）とあります。なぜですか？　面白かったからです。　
　ユーモアを用いる利点を具体的に挙げます。
・ユーモアは、人々をリラックスさせる
　教会に普段来ない人は、教会でユーモアが聞けるとは思わないので、ユーモアが彼らの警戒心を解き、ガードを下げさせる役割を果たします。もっとも早く聴衆の警戒心を解く方法は、あなた自身について冗談を言うことです。すると人々は「ああ、この牧師は気難しい人じゃなく、私たちと同じだ」と安心します。自分自身の問題点を冗談にして下さい。
・ユーモアは、痛みの伴う真理を受け入れやすくさせる
　患部を取り扱う切開手術の前には麻酔が必要です。聴衆が彼ら自身を笑い飛ばせる状況になれば、彼らのネガティブな部分を簡単に取り扱えるようになります。
　ユーモアとは、「罪を犯すことが、いかに愚かなことか」を証明し、露呈させるものです。私は繊細な領域についてユーモアを語るのが好きです。「ある若者が愛車でカーブを曲がり損ねて激突し、片手を失いしました。彼は叫びました『ああ、俺のＢＭＷが！』」。物質主義の愚かさを感じ取れるでしょう？
・ユーモアは、肯定的な感情を生む
　ユーモアは喜び、楽しさ、笑い、活気を与えます。聖書はこれらのものに価値を置いています。喜びに溢れた心は健康に良いとも書いてあります。
　多くのクリスチャンは、主の御前に出て「笑う」ことに困難を感じています。人々を心地良くすることは罪ではありません！　ユーモアは説教の中心ではありませんが、食べやすくするための味付けになります。
　ところで、もっとも面白いユーモアは、ジョークではありません。実際の人生で起こった様々な出来事です。どうか古びた「説教ジョーク」は捨てて下さい。

2007年7月1日号、リバイバル新聞　掲載

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24月 2007 - 11:54第４部　人生を変える語り方⑨　コミュニケーションはタイミングがすべて

　興味深い説教を作るにはどうしたらようでしょうか。

さまざまな「解放（伝達）」方法を考える
　喋るときの速度や音量や抑揚も考えましょう。「良い説教」と「偉大な説教」の違いは「解放（伝達）」のしかたです。私は長年週５回メッセージを語っていますが、解放のしかた次第で反応が変わります。単調で抑揚が無く延々と続く説教は、終わった後に聴衆は疲れきって深呼吸します。中国茶を１滴づつ抽出するようにゆっくりと喋られる説教も退屈でたまりません。平均的なスピーカーは１分間に約１５０単語を喋りますが、聞く側は１分間に約５００単語まで頭で追いかけることができます。ということは１分間に３５０単語喋っても人々は退屈と感じてるということです。スピードアップを心掛けましょう！
　ちなみに、私のお気に入りの道具の一つは、ＩＣチップ内臓で再生速度を調節できるレコーダーです。これはとても重宝しています。なぜならほとんどの牧師はとてもゆっくりと喋り、私の頭はとても早く理解しようと願うからです。これを使うと30分の牧師の説教を15分で聴けます。
　逆にいつも早口で、何を言っているのか分からない人がいます。こんな人はもっと落ち着きましょう。ある人は大声で説教を始め、さらに大声になり、もっと大声になっていきます。説教が終わる頃には聴衆は頭がガンガン痛くなっています。　ある人はまだマイクという機械を知らない１９３０年代の説教スタイルをコピーしています。今は音響機械も充実しているので、叫び声を上げなくても充分聞こえます。囁くように語ることもできます。さまざまな伝達方法を考えましょう。
　しばしば、興味を引くためのもっとも強制的な手段は「沈黙」です。あなたの説教を一端止めてしまうことです。あなたが長々と退屈な説教をして聴衆が居眠りしてしまったとき、急に口を閉じて沈黙し始めて下さい。みんな「どうした？　何が起きた？　揚挙か？」と目を覚ましますよ（笑）。タイミングさえ適切なら、ただ黙るだけでも簡単に人々の注目を引けるのです。ファールとホームランの違いはタイミングだけです。タイミングとはコミュニケーションにおけるすべてです。
　ある大学の調査では、講義の内容自体で人々にインパクトを与えているスピーカーは、全体のたった７％でした。トーン、ボリューム、スピード、沈黙の使い方など、音声の質でインパクトを与えている人が38％。外見、行動、服装、表情などのヴィジュアル面でインパクトを与えている人は55％でした。さまざまな伝達方法を考えましょう。

ポイントを示すときには必ず、イメージ（絵、写真、図）を用いる
　説教で何かを奨励（エグゾテーション）するときは、図解（イラストレーション）を添えてください。エグゾテーションとイラストレーションは２本のレールです。
　私はよくスキットやフィルムクリップや証などを交えたヴィジュアル素材を使います。そして多くの説教ではパワーポイントを使います。「定義」よりも「イラスト」のほうが常に優れてるのです。もしあなたが真理をイラストで伝えられないなら、【Ａ】それは真理ではない、【Ｂ】あなたはまだその真理を理解していない、のどちらかです。興味深い説教をしたいなら、常に画像を用意して下さい。聴衆の「頭」にはポイントを、「心」には画像を置いてあげましょう。
　抽象的なだけでイラストのない説教はやめましょう。イエスが山頂の垂訓で「心配」について扱ったとき、ヘブル人の歴史についての議論もせず、「心配」のギリシャ語解説もしませんでした。彼は空の鳥と、野のゆりと、砂の上に建てた家というイラストを語りました。
　イラストは具体的に語りましょう。「あるとき、私の友人がある街の近くのある都市で…」と言うと聴衆は「ＣＩＡの話？」と感じます。具体的であるほど良いのです。
　イラストを示すとき、その目的はあなたの教養や文化を聴衆に印象付けるためではなく、真理を親しみやすくするためです。ですから私は、今では読まれていない古典文学や詩からのイラスト引用はさけます。文化を伝えたいのではなく、テキストを解説したいのです。
2007年6月24日号、リバイバル新聞　掲載

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17月 2007 - 16:11第４部　人生を変える語り方⑧　退屈な説教は許されがたい　

　【自分が進歩を遂げていることについて正直に分かち合う】
　人はモデルを見ることで「成長過程」を学びます。パウロはそんな人間の性質を良く知っていました。彼は「私がキリストに見ならっているように、あなたがたも私を見ならってください」（Ⅰコリント11・１）と言っています。私はこの御言葉を読んで思いました。「私もキリストに従い、聴衆に『リックがキリストに見ならっているように、あなたがたも私を見ならってください』と言えるようになろう」
　私自身はもちろん完璧なモデルではありません。けれど何の努力もしないロックスターをモデルにするよりは私をモデルにして欲しいのです。少なくとも私は、イエス・キリストと共に生きると決心し、神にある人生を送ろうと努力しているのですから。
　これはあなた自身にも当てはまることです。あなたは説教すればするほど確信するでしょう。「ミニスター自身がメッセージなのだ」と。もしあなたが説教内容のモデルとなれないなら、その説教をするべきではありません。パウロは言いました。「私たちがあなたがたに福音を伝えたとき、それは無味乾燥なおしゃべりではありませんでした。そうではなく、あなたがたは大きな関心を抱いて聞いてくれたのです。私たちがあなたがたに話した内容は、あなたがたに非常に大きな影響を与えるものとなりました。…私たちの生き方が、私たちの伝えたメッセージの真実をいかに証明するものであったかということについては、あなたがたが知っている通りです」（Ⅰテサロニケ１・５　ＬＢ）。
　彼の生き方がモデルとなっていたのです。ヘブル人への手紙13章７節には、指導者たちの人生を見てその信仰に倣えと書いてあります。イエス様は言葉が肉体となった方だったことを覚えて下さい。テレビによってコミュニケーションが劇的に変化した今日、メッセージの評価を決定するのはもはや「テキスト」ではなく「メッセンジャー」です。人々は「聖書は信頼できるか」ではなく、「この説教者は信頼できるか」を探っています。

【現在学んでいることを分かち合う】
　私は「神が今の自分に何を教えているか」を語るのが好きです。なぜならインパクトとは確信から来るものだからです。もし私が確信したなら、人々も確信できるでしょう。もし私が確信していないなら、人々も確信できないでしょう。私が決めているルールは、「もしそのことについて何も感じるものがないなら、そのことは忘れる！」です。言い換えるなら、「私が何も『刺し貫かれた』と感じないなら、その内容を教えるようには神は語っていない」です。

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10月 2007 - 16:06第４部　人生を変える語り方⑦　強さ」より「弱さ」を語る

　もっとも個人的に語り、インパクトのある説教を語る方法を挙げます。

自分の葛藤や弱さを正直に分かち合う
　隠さず、覆わず、透明になって下さい。パウロは弱さを表すという面で、とても透明な人でした。
　「私たちがアジアで通らされた大変な時期のことについて、あなたがたにも知っておいてほしいと願っています。私たちは押しつぶされ、圧迫を受け、恐れおののき、もはや生きてはいられないだろうと思ったほどでした」（Ⅱコリント１・８　ＬＢ）
　告白的な説教ですね。「私は失望した。落ち込んだ。怖かった。死ぬかと思った！」と言ってます。牧師のみなさん、聴衆に向かって「私が怖かったとき」を語ったことはありますか。じつのところ、聴衆はあなたの強さよりも弱さを知ることで成長するのです。あなたが強いと人々は「ああ、私はこうはなれないよ」と感じますが、あなたが弱いと「ああ、これなら私もできるかも」と励まされます。
　私は隔年で結婚について説教しますが、その際には自分の経験を語ります。私と妻のケイはどちらも牧師家庭に育ち、真に愛し合い、神によって一つとされたと確信しましたが、新婚旅行から犬や猫のように喧嘩しました。新婚の２年間は生き地獄でした。ケイも同感でした。牧師なのにこんな状態で、誰にも言えず悲惨でした。私たち夫婦のＤＮＡは互いに反目し、すべてにおいて対立しました。共通事項は、「主イエスへの献身」と「決して離婚しない決意」だけでした。これらの決意ゆえに死にそうでした（笑）。
　怒りを無理に押し殺すので、なおさら苦しみました。私は当時すでに有名なユースパスターでしたが、とうとうプライドを捨てて、恥を忍んで週１００ドルのクリスチャンカウンセリングに通いました。２人合わせて月８００ドルです。当時の私の月収の半分が費やされました。カウンセリング経費だけでマスターカードで１５００ドルもポイント獲得しました。ＣＭに出れます。「マスターカードが私の結婚を救った！」（笑）。正直、今の私があるために、私は生涯１００万ドル以上は掛けています。
　そして25年以上過ぎた今、妻は私の最高の友です。私の最も親しい同労者です。世界中のどんな有名人よりも彼女と過ごす時間が大事です。クリスチャンライフを教えてくれる最も偉大な教師であり、彼女無しではサドルバック教会はありえません。私たちが途中で諦めずにこれたこと、そしてプライドを捨ててカウンセリングを受けられたことを、神に感謝します。
　ある人は「そんなカウンセリングを受ける時間の余裕はない」と言います。けれど、夫婦関係が不安定なままでミニストリーをして何の意味があるのでしょう？　もし夫婦関係が頓挫すれば、あなたのミニストリーも頓挫します。夫婦関係が堅固に確立するまで、教会開拓は始めないで下さい。ストレスが増すだけです。
　個人的な話を分かち合うことが、もっとも力があり、聴衆を惹き付けるのです。結婚について問題が無い人がいると思いますか？　ある牧師は自分の問題を語らず、「これはみなさんへの神からの言葉です」と言います。嘘です！　
　私たちにとって、自分自身に関係することを語るのは、一番難しいことです。なぜなら人がもっとも傷つくのは、その人がもっとも愛する人との関係で生じる問題においてだからです。これは誰もがみな同じです。
　私も以前、親子関係について語ったときは困難がありました。けれど意義がありました。これは「自分の家族のことなどを迂闊に語らないように」という注意とはまったく別の局面です。どうぞ語って下さい。コミュニケーションでは、最も個人的に語ることが、最も力強く語ることなのです。
　個人的に語るコミュニケーションのための効果的な秘訣は、あなたの仮面を取り除き、本当の感情を分かち合うこと、そして人々との距離を縮めることです。叫びながら語るのではなく、彼らを本当に自分に近づけて、あなたの心の中にあることを見せてあげること。それがインパクトを生むのです。正直に、あなたの内側にあるものを語って下さい。

2007年6月10日号、リバイバル新聞　掲載

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3月 2007 - 15:49第４部　人生を変える語り方⑥　最も個人的に語る方法は何か

　私は昔、「最も力強く語る方法」は何かと自問していました。けれど「最も個人的に語ること」が最も力強い語り方だと悟りました。
　パウロは、「個人的に」語ることで福音の力を解放しました。「私たちはあなたがたに率直に話しました。私たちの心は広く開かれています」（Ⅱコリント６・11　ＧＮ）「私たちは、ただ神の福音だけでなく、私たち自身のいのちまでも、あなたがたに喜んで分かち合いたいと思いました」（Ⅰテサロニケ２・８　ＮＩＶ）
　個人的に語れば語るほど、力強さが増します。個人的な証こそが最も力強い宣伝になります。「私も試してみた。あなたも試してごらん」です。目の見えなかった男は「…一つのことだけ知っています。私は盲目であったのに、今は見えるということです」（ヨハネ９・25）と証しました。
　あなたの心から、あなたの人生から、御言葉が語られること。すなわちあなた自身が「生きる聖書」になることが、力強さです。これこそ言葉が人となる「受肉した説教」です。パウロは「「私自身とアポロに当てはめて、あなたがたのために言ってきました」（１コリ４・６）と説明しています。説教のアイデアは躍動的であるより個人的であるべきです。
　今日の人々は、テレビの影響で、以前にも増して人が語ることに懐疑的になっています。宣伝文句には、拒絶した態度をとります。昔は説教原稿の端に「ここは大きな声で叫びながら」と書き添えたものですが、今の時代、もはや「インパクト」とは音量の問題ではありません。ボリュームを大きくしても聴衆からスイッチを切られるだけです。中古車売り場で販売員が早口で叫びながら「どうもどうも！　ようこそようこそ！　さっそくですがちょっと話を聞いて下さい！　こちらに素晴らしい車がございまして！」と始めたら、あなたはすみやかに心に壁を作るでしょう？　むしろ「あの…私は今日からここで働いている者ですが…車をお求めですか？」と来られたほうが、「狡猾なセールスマンに捕まらなくて済んだ」と神に感謝しますね（笑）。今日では、叫べば叫ぶほど、人々は距離を置きます。
　１９７６年にフレイバル・イェークリー博士が、「３種類の伝道者のタイプ」について博士論文を発表しました。彼は説教者を３種類に類別し、伝道について１０００の教会を調べました。

３種類の伝道者のタイプ　　　（Flavil Yeakley ）

①操作的独白タイプ（営業マン型説教者）・・・強引な売り込み、執拗な説得、圧力
②情報伝達タイプ（教師型説教者）・・・聖書知識の強調、教理の理解と教育
③非操作的対話タイプ（友人関係型説教者） 1000以上の教会を対象に行った調査の結果…
　　
Ａ．伝道に関する調査結果
　・急成長を遂げている教会の牧師はすべて、③タイプ　
　・中程度の成長をしている教会の牧師のうち、94％が①タイプ
　・成長が思わしくない教会の牧師のうち、87％が②タイプ
Ｂ．説教のスタイルに関する調査結果
　・急成長の教会…97％の牧師の説教が肯定的に受けとめられていた
　・中成長の教会…81％の牧師の説教が否定的に受けとめられていた
　・低成長の教会…75％の牧師の説教が否定的に受けとめられていた　

　中程度の成長ならば営業マン型の説教者による「否定的な説教」でも可能です。けれど最も人々をひきつけているのは友人関係型ですね。その具体的なインパクトの与え方をこれから見ていきましょう。
2007年6月3日号、リバイバル新聞　掲載

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27月 2007 - 17:36第４部　人生を変える語り方⑤　内容解説ではなく、コミュニケーション

　適用をアウトライン化する具体例を見てみましょう。ヨナ書には四つの章があり、各章に合わせて各ポイントを作ることができます。

コミュニケーションの基本的アウトライン
①必要を見極める
②個人的な例を挙げる
③計画を示す
④希望を示す
⑤献身を求める
⑥結果を期待する

　まず内容紹介型アウトラインを作ってみましょう。１章で神はヨナにニネベに行けと命じました。東のニネベに行きたくないヨナは、西のタルシシュへ逃げようとヨッパまで来ました。一つめのポイントは「逃げだしたヨナ」です。
　２章はヨナの祈りです。ヨナは船から放り出され、大きな魚に飲み込まれました。魚の中で悔い改め「おお、主よ、私は悔い改めます。あなたのもとに戻ります」と再び神に向かいます。二つめのポイントは「悔い改めたヨナ」です。
　３章１節は私の大好きな箇所です。悔い改めたヨナに再び神が声を掛けました。神から２度目のチャンスを貰えたら嬉しいですね。ヨナは「分かりました。行きます」と答えてニネベに戻ります。三つめのポイントは「戻ってきたヨナ」です。
　４章は神とヨナの議論の章です。ヨナが助けたくなかったニネベを、神は救いました。ヨナは「神様、私はあなたがそうすると知っていました。けど私は彼らが嫌いです。救われて欲しくありません」と怒り、とうごまが枯れたことにも文句をつけます。すると神は「あなたはとうごますら惜しむ。まして私がニネベの町を惜しまないわけがないだろう」と諭します。四つめのポイントは「わめき散らすヨナ」です（笑）。
　これが聖書注解的な、内容紹介型アウトラインです。果たして、これが聴衆に覚えて欲しいことですか？　違いますね。覚えて欲しいのはここから読み取れるレッスンのはずです。聴衆に何をして欲しいのかを考えて下さい。
　
　ではコミュニケーション型アウトラインを作ってみましょう。ヨナ書全体から読み取れるメッセージは「神から逃げたとき、あなたはどうすべきか」です。
　１章のポイントは「あなたは神の臨在を意識する必要がある」です。私たちは神から逃げることはできても、神から隠れることはできません。ヨナはヨッパに下り、船に下り、船底に下り、海の中へと下り、文字通り「下り坂」の人生でした。それでも神から隠れることはできません。神の臨在を認めなければいけないのです。
　２章のポイントは「あなたは神に助けを求める必要がある」です。２章２節には「主にお願いすると、主は答えてくださいました」とあります。神から逃げたことはありますか？　ならば必要なのはこれです。神に助けを求めることです。
　３章のポイントは「あなたは神の恵みを受け取る必要がある」です。神はヨナに再びチャンスを与えたのです。神から逃げたことはありますか？　あなたは神が与えるセカンドチャンスという恵みを受けとらなければいけません。
　４章で大切なのは神が最後にヨナに語ったことを知ることです。神はその愛をヨナに伝えました。最後のポイントは「神の愛を他人にも伝えよう」です。神は、あなたが知った神の愛を他の人々にも伝えて欲しいと願っています。あなたが回復したなら、回復を必要としている人々に、その愛を伝えていってください。
　以上が、あなたが神から逃げたとき、するべき四つのことです。
　
　もし１番目のアウトラインを使うなら、あなたはコメンテーターです。聖書解説だけならこれでも可能です。けれど２番目のアウトラインを使うなら、あなたはコミュニケーターになれます。人々の人生を変えるため、各ポイントに動詞を使うか、もしくは具体的な適応を含ませましょう。

2007年5月27日号、リバイバル新聞　掲載

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20月 2007 - 17:33第４部　人生を変える語り方④　宗教用語は慣用表現に置き換える

⑥最もシンプルに語る方法は何か（続き）
　説教をシンプルにする具体的な方法を挙げます。

【メッセージの内容を一つの文章に要約してみる】
　もし一文で言い表せないなら、その説教はまだ目的が不明瞭で、人々はついてくることができません。そもそもメッセージとは、文字数が少ないほどインパクトがあるものです。「主の祈り」はたった55単語です。ゲティスバーグでのリンカーンのスピーチは２６７単語、アメリカの独立宣言は１３２２単語。けれど最近のアメリカの政府の報告書は平均２６０００単語以上です。どれが一番インパクトあるか、明白ですね。単語が少ないほど、力があるのです。
　
【「宗教的」な用語はなるべく避ける】
　宗教用語は避けてください。「聖化」「贖い」などの難解な言葉で逃げないで下さい。ただ単純にポイントを語って下さい。
　私は神学的な話を、神学用語を使わずに語るのが好きです。歴史を振り返ると、大きな霊的な覚醒が起きてリバイバルが訪れる時とは、誰かが聖書のメッセージを当時の言語に置き換えて人々に伝えたときです。
　今でも多くの牧師はスポルジョンやカルバンの説教集を熟読します。しかし当時の聴衆はもういません。これらの説教集を読むのは良いのですが、同じスタイルで説教することはできません。あなたはあらゆる専門用語、古典的表現を現代の慣用的な言葉に置き換えて語れなければいけません。「救い」とは何ですか？　その言葉で何を表現したいのですか？　溺れているのですか？　「主よ」と言う表現は何を意味するのでしょうか？　今は王族や貴族や騎士たちのいる封建時代ではありません。私たちは民主主義に生きているので、分かる言葉に置き換える必要があります。
　たとえば私はビジネスマンたちに語るときは、「人生をキリストに捧げるとは、イエスをあなたのＣＥＯ（最高経営責任者）、つまりボスとすることです。あなたがクリスチャンになるとは、新しい契約書にサインし、新しいマネージメントの傘下に入るという意味です」と説明します。
　最近の多くの説教は、神について言及するより、ギリシャ語について言及しています。あなたほど原語に関心のある人は会衆の中にはいません。多くの原語解説は、ただの見せびらかしです。以前、教職者向けのセミナーで、同席したチャック・スウィンドルが「あまりに多くの原語解説は、会衆に英訳聖書への失望を与えるだけだ」と言っていました。まったく同感です。「この単語の本当の意味はですね…」とやりすぎるのは「私の（英訳の）聖書は信用できない」と言っているようなものです。そして人々に「自分はギリシャ語が分からないから、聖書の本当の意味は分からない」と失望を与えます。
　
　【メッセージのアウトラインはシンプルに】
　ある調査によると、人々は興味深いトピックに関して７つの情報を聞いても、２つ程度も覚えていられないそうです。情報は、多すぎるとその価値を失います。
　ある種の説教のアウトラインは、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ…と大項目が続き、その中にＡ、Ｂ、Ｃ…と中項目があり、さらにその中に①、②、③…と小項目があります。項目を羅列すれば説教になると錯覚しないで下さい。これは牧師が「大きいポイント！…小さなポイント…再び大きなポイント！…小さなポイント…さらに小さなポイント…そして大きなポイント！」と叫んでいるだけで、会衆の心に残りません。牧師が「学問主義」に陥ると、会衆は混乱します。シンプルでクリーンなアウトラインを使ってください。

【適用の部分をアウトラインのポイントにする】
【各ポイントを示すときには、動詞を使う】
　この２点はすでに「Ｃ.Ｒ.Ａ.Ｆ.Ｔ.」編で説明したことですね。
　もしあなたが聴衆の人生を変える説教をしたいなら、単に、聖書本文の内容を羅列したアウトラインではなく、具体的な適用を示したアウトラインを作成する必要があります。メッセージの主旨を決めるのは聖書ですが、その構成を決めるのは人々の必要です。

2007年5月20日号、リバイバル新聞　掲載

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