米国債が売れないw
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おいらがバンコクから荷物を送る会社というのは、トランスエアカーゴというんだが、略してTACだな。マネージャがソムキットと言って荷捌き場に安っぽいメコンウイスキーのヌードカレンダーが貼ってあるんだが、その話ではない。
ここで言うTACというのは、つまり、米国の銀行に注ぎ込まれている特別融資の事だ。28日の短期融資で、これが1月だけで10兆円ほど出ているんだが、28日目には返さなきゃならない。まぁ、返せるわけがないんだが。で、
FRBがTACを引き上げたら、(あるいはTACを今月中に返済できなかったら)、他の負債(CDO、LBO、CDS、不動産担保など)云々の以前の問題で、米銀は逝ってしまうだろう、
Walk in the Spritというサイトで解説しているんだが、アメリカ経済の最期の頼みの綱がコレなわけだ。ただ、コレってカンフル剤打ってるのと同じだから、一時的なモノでしかない。どこかで貸したカネは取り立てないとインフレを招くだけだ。ところが、とても銀行に返す力はない。で、
ムーディーズが発表した
米銀の破綻懸念リスト。
Bank of America 70-95
Bank of New York 70-95
Citigroup 70-95
JPMorgan Chase 70-95
State Street 50-70
U.S.Bancorp 50-70
Wachovia 50-70
Wells Fargo 50-70
SunTrustBanks 30-
Washington Mutual 30-
まぁ、笑ってしまいますわw 破綻確実な銀行に世界的な有名どころがズラッと名を連ねておりまして、
Chances of Government Support(政府のサポートの機会)などと言う柔らかな表現だが、何のことはない、
破綻確率そのものだろう、そして3大銀行(バンカメ、シティー、モルガン)はすべてVery Highになっている、そう、もはや時間の問題なのだ
と書かれている。70-95パーセントの確率で破綻する銀行が四行あるというのは、つまり、三行は潰れるという事を意味するわけだ。いやいや、素晴らしい。で、株式日記さんちでは
アメリカが大インフレに見舞われると言ってるわけだ。
アメリカから投資マネーが逃げていけばドルはますます安くなり、アメリカ国内ではインフレが長期化していくことだろう。インフレがひどくなれば短期金利も上がっていって住宅ローンの金利も上がっていくことになる。そうなればローンを払えなくなる人が増えていってサブプライムのみならず通常の住宅ローン破綻も増えていく事になる。
アメリカの金融機関も不良債権の激増によって破綻するところも増えてくるだろう。株式市場も本格的な下落が来てアメリカ国民の資産も大きく失われることになるだろう。アメリカでは株も不動産も下落して、ドル安によるインフレによって中国などからの日用品が値上がりして石油なども切り上がって行くだろう。
アメリカはドル基軸通貨の国なので米国債が償還できなくなる事はない。ドルは印刷していくらでも償還できるからだ。しかしドルの下落を嫌って米国債の投売りは十分に起こりうることであり、国債が暴落すれば金利は暴騰する。FRBがしなければならないことは株式の下落を阻止することよりも、国債の暴落を防ぐことだ。だから政策金利を下げることは結論的に間違いだ。
まぁ、ヘリコプターからカネをばら捲くような真似してりゃ、インフレにならない方が不思議なんだが、問題は米国債だ。先日、新発30年債の入札があったんだが、これがまったくの不調に終わって、いつもの半分以下しか売れない。今みたいにドカドカ金利を下げている局面で4.5パーセントの金利のつく国債が売れないという事は、つまりどういう事なのかというと、ぐっちーさんが書いてます。
こんなにテールが流れたのはいつ以来なんだろうね。多分僕がこの仕事初めて以来ないような気がするね。所謂間接入札が10%程度。これはもはや米国債に資金を投ずる意味がないという諸外国のボイコットでしょう。
これだけ利下げして、まだ緩和する事が分かっている中での30年債入札の不調。
遂に来た、としか僕には思えないのだが・・・
4.5%の利回りで30年間アメリカに金を貸すことはできないのだよ、きみ。
インフレリスクじゃなくて本当に信用力がない、ということですな。
ぐっちーさんてば、いつになく焦っているような書きぶりなんだが、その混乱ぶりがまた、リアリティを醸し出しているね。もう、数字では書き表せないほど経済が崩壊しつつある。誰も銀行なんか信用してないし、ついでにアメリカそのものも信用してない。完全に終わりました、という勢いなんだが、そこでコレだ。
住宅ローン支払いは突然上がる。家の価値は急落。「やーめた。」
ホームオーナーたちは家を捨てている、そして注目すべきは、彼らは低下するアセットの上がる支払いを続けるかわりに、住宅ローンも捨てているところだ。かなりの人々が家の鍵を貸し手に返し始めた。新語、"Jingle Mail"はこのことだ。)
以前、おいら書いたんだが、不動産価格が急落すると、アメリカではみんな逃げちゃうわけだ。ノンリースローンなので、家を手放せばそれ以上は追求されない。そら、マジメにカネ返すヤツなんかいるわけない。で、CNNまでがそれを大々的に報道始めたというので、無責任国家アメリカの行く末は、まぁ、アレだ、ソ連が崩壊した時に見られたように、原潜が港につながれたまま腐り果てて行くという素晴らしい光景になるわけで、まことに目出度いです。
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