大阪府の橋下徹知事は8日夜、NHKの報道番組で「学力が違う生徒をみんな一緒に、先生が授業しろと言ってもできるわけがない」と述べ、小学校の一部の教科で学力別クラス編成を導入する考えを表明した。府内では一部の学校が既に導入しており、橋下氏は知事選の公約に掲げていた。知事就任後に発言したのは初めてで、全面導入を目指す。
橋下氏は「基礎的なクラスをきちんと作った上で、いわゆる習熟度別学習の発展形みたいなものを考えている。先生もレベルに応じて教材を用意する」と述べた。また、東京都杉並区立中学が学習塾に校舎を開放して低料金で授業を受けさせていることに関して「学習塾に行きたいのにお金がなくて行けない子は、何かしら行政としてフォローしてあげないといけない」と、大阪府でも今後、取り組む意向を示した。
一方、東京出張のため番組途中での出演になった点について「遅刻したのは僕の責任じゃない。この時間に来れませんよと散々言っていたから」と声を荒らげる場面も。NHK記者らによる株不正取引疑惑にも触れ、「NHKのインサイダー問題だってどんだけ(時間が)かかっているんですか」と解明の遅れを指摘した。【大場弘行】
毎日新聞 2008年2月9日 12時54分