中国製ギョーザによる中毒で、製造元の石家荘市の天洋食品前で取材していると、若い中国人男性に「どうしたんですか」と声をかけられた。
発覚直後で中国ではまだ報じられていなかったので、やじ馬の一人と思い状況を説明すると、男性は「へえ、そうなんですか」と興味深そうにうなずいた。その時は気にも留めなかったが、後日、河北省政府の会見でこの男性を発見。しかも会見場で受け付けをする公安関係者だった。
思い起こせば、記者仲間との雑談中に、そばでじっと耳を傾け記者のメモ帳をのぞき込む男性も。「おまえは何をしているんだ」と問いつめたが、黙ったまま離れようとしなかった。
元従業員の取材で公安の車が尾行していたことも分かり、中国での取材の難しさをあらためて実感。ただ中国でも情報通信が発達した今、われわれを監視する意味がどれほどあるのか首をかしげる。
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