昨年4月以降の輸入食品で、中国製冷凍ギョーザによる中毒事件の原因となった有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が中国産で3件検出されていたことが分かった。メタミドホスは、中国では82年に野菜への使用が禁止され、昨年1月から販売・使用が全面禁止されているが、その後も使用されている実態が浮かんだ。
販売用の食品を輸入する際、食品衛生法により厚生労働省への届け出が必要。検疫所は、食品添加物や有害物質などについて書類審査し、必要に応じて検査している。基準を超えていれば、輸入を認めない。
厚労省によると、昨年4月~今年1月、基準値以上のメタミドホスの検出は、中国産食品で、▽生鮮にんじん0.04ppm(昨年4月、基準値の4倍)▽乾燥白きくらげ0.3ppm(昨年6月、同3倍)▽ソバ0.16ppm(昨年6月、同16倍)--の3件あった。
中国は82年に、野菜や果実、お茶などの農産品にメタミドホスの使用を禁止。昨年1月にはメタミドホスなど高毒性農薬の販売・使用を全面禁止し、今年1月にも、改めて高毒性農薬について国内向けの生産や流通の禁止を公告した。
しかし、千葉、兵庫でのメタミドホス中毒事件発生後、日本生活協同組合連合会が、中毒の原因となった「CO・OP手作り餃子(ギョーザ)」と同じ製品を回収したところ、07年9月8日製造の6袋から0.02~0.05ppmのメタミドホスを検出するなど、使用をうかがわせる事例が後を絶たない。
メタミドホスは、安価で効果の高い農薬と中国では認識されているとされ、規制が地方まで行き届いていない疑いがある。【奥山智己】
▽アジアの農薬事情に詳しい国際基督教大元教授の田坂興亜(こうあ)さんの話
規制が徹底されているのは北京近郊だけではないか。回収されなかった農薬が使われたのかもしれない。中国は82年に野菜に対する使用を禁止したにもかかわらず、80年代後半にメタミドホスによる食中毒が起きた。検疫所での検出も中国の規制の不徹底さを物語っている。
毎日新聞 2008年2月9日 15時00分 (最終更新時間 2月9日 15時06分)