「北方領土の日」の7日、返還要求運動原点の地・北海道根室市で根室管内住民大会(北方領土隣接地域振興対策根室管内市・町連絡協議会主催)が開かれた。元島民の平均年齢が74歳を超え、運動の継承が懸案となる中、約1000人が返還への強い決意を新たにした。
大会では長谷川俊輔市長が「日露の政府間交渉に任せておけば良いという安易な考えが国民の間に広がっているが、これからが正念場。昭和50年代のような運動の盛り上がりが今こそ必要」と強調。同管内選出の中司哲雄道議は「島を追われて63年。『もう返って来ない』『どうせダメだろう』という声を聞くが、ダメだと思った瞬間に運動は終わってしまう。北海道洞爺湖サミットで、領土問題があることを(世界に)発信しよう」と訴えた。また、弁論発表では地元の中学生9人が返還の必要性やビザなし交流に参加して考えたことなどを題材に雄弁を振るった。最後に全員が「島を返せ!」とシュプレヒコールを上げた。
一方、さっぽろ雪まつりの大通会場(札幌市中央区)では「2008北方領土フェスティバル」が行われた。領土返還を要求する署名コーナーが設けられ、高橋はるみ知事と鰹谷(かつや)忠・道議会副議長らが全国から来た観光客らに協力を呼びかけた。高橋知事は「サミットではロシア大統領が初めて北海道を訪れる。日露首脳会談での具体的な進展を期待したい」と語った。【本間浩昭、大谷津統一】
毎日新聞 2008年2月8日 2時00分