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「韓国語は絶滅の危機にある」(上)

李相揆(イ・サンギュ)国立国語院長インタビュー

 李相揆(イ・サンギュ)国立国語院長は、今月から始まる「国民の国語能力調査」の準備で忙しい。38年ぶりに全国的に文盲率を把握するという調査だ。国中が英語公教育強化の賛否を巡る議論が高まっている中、李院長は韓国人の韓国語能力に深刻な問題があると憂いているわけだ。4日に国立国語院(ソウル市江西区傍花洞)で行われたインタビューで、李院長は「英語に劣らず急を要するのが国語教育の強化だ」と語った。

─韓国語はどれほど深刻な状況にあるのですか。

 「大事件になっています。韓国語は絶滅の危機にあります。見てください、新聞にはこんな文章がよく出て来ます。“国家発展戦略構成のためタスクフォース結成”。ここに韓国語(生粋の韓国語)がどれほどあるでしょうか。昔の吏読(漢字による朝鮮語の表記)と同じようになってしまいました。われわれが過去50‐60年の間に飛躍的な経済的跳躍を成し遂げるに当たっては、韓国語中心の語文政策が大きな役割を果たしており、それが可能だったのはハングルの偉大性ゆえなのです。ところが今は…小学校3年生の1クラス中5、6人は韓国語をきちんと使うことができない、という調査結果も出ています。読み書きの能力が大きく落ちているのです」

─政権引き継ぎ委員会が先日、他の科目も英語で授業をするという教育方針を明らかにしましたが、撤回しましたね。

 「教育方法に関する専門家ではないため、どうこう言うことはできません。英語教育を強化しようということに反対するのではありませんが、どのように国語を守り教育を強化するのかについても、必ず同時に考慮すべきだということです。英語教育が万一、わたしたちが交流相手国との疎通のための教育とならず、一般的な言語侵奪と化してしまったら大変危険です。英語ばかりよくできるからと言って、先進国になれますか。フィリピンをご覧なさい。数百年にわたりスペイン・米国・日本の支配を受けた末、文化と言語の混乱に遭い、英語が分からない国民40‐50%は永遠に疎外される階層として残っています」

兪碩在(ユ・ソクジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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