「トトロの家」、公園に2008年02月09日 存続が危ぶまれていた東京都杉並区阿佐谷地区の「トトロの住む家」が公園として残されることになった。杉並区がこのほど発表した08年度予算案に設計費など約400万円を盛り込んだ。「かつての杉並」の面影を残した築約80年の民家の保存に、山田宏区長は「地域のランドマークとしたい」。新年度に公園の整備計画をまとめ、2年後にオープンの予定。総事業費は約4億円になる見通しだ。 〈写真特集〉はこちら
「トトロの家」は、JR阿佐ケ谷駅から歩いて15分ほどの住宅密集地にある。昭和初期に作られた木造平屋建ての洋風住宅(約70平方メートル)。約380平方メートルの庭には50種類ほどの草木が植わる。アニメ映画監督の宮崎駿さんが、著書の中で「たからもの」と記し、地元では「トトロの家」の愛称で呼ばれている。 地主から借りて長年暮らしていた近藤英さん(83)が昨年、隣家に転居したことから、地元で保存の署名運動が起きた。昨年末で6300人分が集まったという。 区の計画では「トトロの家」と、隣接する駐車場計830平方メートルを区が所有者から買い取り、公園にする。現在の家や庭を残し、駐車場も緑地帯として整備する。昔の資料などを頼りに、家の中も再現。遊具などは置かずに、来園者が雰囲気を楽しむ施設にしたいという。 区まちづくり推進課は「決して高性能でも高級でもない。しかし花が咲き、虫がいる。緑とともに住むというのはどういうことなのか。その一つのモデルとしたい」としている。 現在、隣の家で1人で暮らす近藤さん。近所の人たちからは「子どもたちのためにも残して」、子どもたちからは「公園になったらいいね」と声をかけられる。 近藤さんは「自然が与える無形の力を、次世代が感じ取ってもらえる施設になればいいですね」と話している。 区の方針が固まった1月末、近藤さんは区の担当者と宮崎さんを訪ねた。宮崎さんは「たまたま通りかかり、いいなと思って書いた本が、きっかけの一つとなってうれしい。いい形で残して下さい」と喜んでいたという。 PR情報この記事の関連情報コミミ口コミ
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