茨城県つくば市の筑波メディカルセンター病院(石川詔雄院長)は8日、92年の心臓手術で旧新治(にいはり)郡の女性患者(手術当時73歳)の心臓のそばにガーゼを置き忘れ、8年後に再手術をして取り出していたと発表した。
病院によると女性は92年6月、心筋梗塞(こうそく)や狭心症のため、冠動脈バイパス手術を受けたが、数年後に症状が悪化。心臓の背中側に塊が見つかり01年2月に摘出したところ、中から約30センチ四方のガーゼが見つかった。女性は回復しないまま04年1月に心不全で死亡した。
病院側は置き忘れを認め「死亡に何らかの影響を与えた可能性がある」として遺族に謝罪。07年、示談が成立した。石川院長は「長期間にわたり精神的、肉体的苦痛を与えてしまった」とコメントした。【原田啓之】
毎日新聞 2008年2月9日 東京朝刊