「うちの学校の裏サイトでも中傷がすさまじい」「わが子も書き込まれたが、親としてどうすることもできない」
連載企画「ネット汚染―迷走する子どもたち」へのお便りが社会部に届いています。第一部「見えない悪意」では、ネットいじめの実態を中心に、人間不信に陥った少女や加害者の心境、情報モラル教育の取り組みを紹介しました。現在、第二部に向け、援助交際など出会い系サイトの周辺を取材しています。
岡山県で携帯電話を持つ高校生は90%超。物騒な世の中、登下校時のお守り代わりに使う小学生も多いことでしょう。ネット機能を使いこなす子どもの情報吸収力はアナログ世代には驚きですが、家族や友人を目の前に長時間、無表情で携帯電話を操作する光景をよく見ます。どこか、本当のコミュニケーションが置き去りにされているようです。
NPO法人「おかやま犯罪被害者サポートファミリーズ」理事の市原千代子さん(54)=備前市=は、ある会合で聞いた話をお便りで紹介してくれました。
<川で水難事故があると、大人は看板や柵を設けます。しかし、好奇心の強い子どもたちはいずれ監視の目を逃れ、川に向かうでしょう。本当に大人がしなければならないのは子どもたちと一緒に川に出掛け、楽しさや魅力とともに危険性をきちんと教えることです>
携帯電話を買い与えた後は、私も含め「自主性を尊重する」といった言葉に逃れている気がします。ネット問題にどう向き合い、対処すればいいのか。真剣に考える時期に来ています。(社会部・広岡尚弥)