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2008年2月9日

 家計の支出に占める食費の割合をエンゲル係数といい、以前は豊かさや貧困の度合いを示す指数として教えられたが、最近ではそう単純ではない

係数の高低にかかわらず、むやみに食べ物にお金をかけない人、逆に食にこだわる人がいるからである。その係数が都道府県別で一番低いのは富山(「消費の県民性を探る」同友館)である

逆に高いのは大阪、兵庫などで「食い倒れ」の表れとも言われる。石川は二十九位。総じて北陸は家計にゆとりがあるといわれるが、所得とその使い道で暮らしの豊かさが分かるかどうかは、食文化や伝統が絡んで一概には言えない

先日「一人当たりの県民所得」が公表された。トップ東京の約四百七十八万円と最下位の沖縄とは二倍以上の開きがあった。だから沖縄は貧しいと言うのは短絡に過ぎる。「消費の県民性」によると沖縄の冷凍食品とギョーザ消費量は全国最低だった

冷凍食品の消費が少ないのは手間暇かけて料理をつくる表れかもしれず、昨今の騒動から言えば豊かな食生活の象徴にも見える。所得やエンゲル係数で心の豊かさまで分かるわけがないと、あらためて思うのである。


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