【三重】地域枠募集定員、さらに5人増へ 09年度の三重大医学部2008年2月9日 2008年度の推薦入試で、県内高校出身者を優先する地域枠の募集定員を10人から20人に増やす三重大医学部が、09年度にさらに募集定員を5人増やす方針を決めた。学部の定員はほかの推薦入試や一般入試分を含めて計115人となり、このうち25人が地域医療を担う医師不足対策の「枠」となる。 国の緊急医師確保対策の一環で、08年度の10人増に続き、09年度から最大9年間、北海道を除く46都府県で各5人の定員増が認められた。同学部が1月23日の教授会で定員増を決めた。 国が示した定員増の条件は、県が奨学金制度を設ける代わりに、この枠の学生が卒業後の最低9年間は県が指示する医療機関で勤務する。県は04年度から独自の修学資金貸与制度を設けており、それを適用することは可能という。 08、09年の2カ年で計15人の地域枠拡大について、駒田美弘・医学部長は「これまで県外の医学部に進学していた地元の高校生が三重大に入ってくれるのではないか。県出身者が増えれば、県内に残る可能性は高い」と期待する。一方で、新たな実験器材や人件費も必要となり「県全体で頑張ってもらいたい」と県や市町から何らかの形での支援を求めている。 県健康福祉部も「積極的に協力したい」と歩調を合わせる方針。ただ、現在の地域枠は、受験生には知らせない形での合格枠のため、入学しても学生に地元意識があるとは限らず、同部には「卒業後、特定の診療科や地元に残ってもらえるとは限らない」との懸念も出ている。 このため09年度の5人枠について、県は現行とは異なる新たな入試制度にするよう協議したい考え。3月に三重大を含めた医療機関や市町の関係者らでつくる県の医療審議会地域医療対策部会(委員長・内田淳正三重大付属病院長)で話し合うという。 (奥田哲平)
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