中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、福島県で販売され、有機リン系殺虫剤「ジクロルボス」が検出されていた「CO・OP手作り餃子(ギョーザ)」について、同県警は8日、鑑定の結果、トルエン、キシレン、ベンゼンもギョーザから検出されたと発表した。
トルエンなど3種類は、ジクロルボスを溶かす溶剤として使われた可能性があるとみられる。ベンゼンは日本国内では発がんの恐れがあるとして農薬の溶剤としては使われておらず、この事件も中国の製造工程で付着、混入した可能性が高まっている。
県警が鑑定したのは、福島県喜多方市の「コープバリューぷらざ店」で従業員が購入し、「オイルのにおいがきつくて食べられない」などと異臭を感じたギョーザ。中国の「天洋食品」で昨年6月3日に製造され、従業員は同11月10日に購入していた。
検査したギョーザのうち1個からは、皮と具の両方でジクロルボスと3種類の溶剤が検出された。
これまでの日本生活協同組合連合会(日生協)の検査では、ギョーザからジクロルボスが検出され、輸入元のジェイティフーズ(東京都品川区)の検査で袋からトルエン、キシレン、ベンゼンが検出されていた。
ジクロルボスは水に溶けにくいため、農薬として使う際は溶媒を使用することがあるが、農林水産省農薬対策室によると、日本では、トルエンとベンゼンはジクロルボスの溶媒としては使われていない。
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