水島、宇野両税関支署が7日まとめた07年分の貿易概況によると、県内の貿易総額は統計を取り始めた1960年以来、初めて3兆円を突破した。輸入は原油高騰で単価が上昇。輸出は自動車、船舶などの輸送用機器、鉄鋼が寄与したが、前年比1・4%(年平均)の円安も貿易総額を引き上げる要因となった。 輸出入総額は、3兆4915億9200万円、前年比16・8%増。輸出は1兆3049億9800万円、同27・3%増。輸入は2兆1865億9400万円、同11・3%増で、輸入超過幅は前年から580億円縮まった。 管内別に見ると、水島の輸出額は1兆2044億5300万円、同27・4%増。自動車はフランスメーカーのOEM(相手先ブランドによる生産)分で同43倍となるなど、北欧向けの輸出が伸び同37・1%増。鉄鋼は韓国の自動車向けの輸出が堅調で、同11・4%増。 輸入額は1兆6953億9300万円、同11・0%増。全体の6割を占める原粗油は数量は減ったが、原油高騰で金額は同7・8%増。石油製品はインドからのナフサが同3倍の伸びを示した。 宇野管内(岡山空港除く)の輸出額は849億8500万円、同37・3%増。輸送用機器は、パナマやマーシャル向けの船舶が堅調で、同9・6%増。エンジン、ポンプなどの関連部品も3倍近く伸び、一般機械は同53・7%増と高い伸び。非鉄金属は、電気銅の製造移管の影響で、約140倍増加した。 輸入額は、4884億8900万円、同12・2%増。9割を占める主力の金属鉱およびくずは、同10・9%増。板状の粗鋼が約40倍と急激に伸びた。 岡山空港単独では、輸出額155億6千万円、同13・3%減で10年連続の増加がストップした。電気機器は、同50・8%減。大手企業による半導体部品の中国への生産移管で大幅に減少した。 輸入額は27億1200万円、同34・6%増。輸送用機器は、小型ジェット機2台が通関した関係で、176・3%増。その他雑製品は、イギリスから真庭市向けの美術品が入り、82・7%増と好調な伸びを示した。