中村さんは昭和8年に倉敷に生まれ伝統的な景観が残る倉敷の街並みを写真に撮り続けてきました。昭和28年に写真家の緑川洋一氏に師事し、二科会での連続入選をはじめ、岩波写真文庫フォトコンテスト特賞受賞など、国内で高い評価を受けてきました。一方で、倉敷市伝統的建造物群等保存審議会の会長を務めるなど、町並み保存に尽力し平成17年度には倉敷市文化章を受章しています。また、去年まで放送された「くらしき百景」の第1景の推薦者となって、由加山を紹介し、倉敷市内で残すべき風景とは何か示しました。尚、通夜は2月9日午後6時から告別式は2月10日の正午から、エヴァホール倉敷でそれぞれ仏式で行われます。
倉敷市立中央図書館ではじまった幻の原稿展では、短編小説「地獄変」の直筆原稿や未完の小説となった「邪宗門」の未発表原稿など、全部で33点が展示されています。これらは、倉敷市連島出身の詩人薄田泣菫の遺族から倉敷市に寄贈された資料の中に含まれていたもので、泣菫に充てた手紙などもあります。芥川龍之介は、泣菫が勤める大阪毎日新聞社の紙面で小説を連載していました。展示されている「邪宗門の別稿」は新聞掲載直前に別の原稿に差し替えられ世に発表されなかったものです。原稿には自らが修正を加えた跡などがそのまま残されています。展示会場には、文学ファンが大勢訪れ熱心に見入っていました。芥川龍之介の資料や原稿などは、専門家の間ではほぼ出尽くしたと思われており、今回展示された未発表原稿などは芥川龍之介の作品構想などを知る上で貴重な資料だということです。この幻の原稿展は今月28日(木)まで倉敷市立中央図書館で開催されています。
これは心豊かな子どもたちを育てようと、倉敷市教育委員会が主催して毎年開催されています。開会式には、倉敷市立倉敷西小学校の4年生児童64人をはじめ、市内の小中学校の校長などが出席しました。児童を代表して大西隼人くんが「色んな学校の友達の作品を見ることができるのが楽しみ。気に入った作品をみつけたい」と挨拶しました。このあとテープカットをして開幕を祝いました。今年の倉敷っ子美術展は「わくわくどききどき感動いっぱい夢いっぱい」をテーマに開催され、91の学校から9500点あまりの作品が寄せられました。作品は、図画工作や美術の授業で児童生徒が制作したもので、個性溢れるものばかりです。今回、初めて出品した県立倉敷天城中学校の1年生は漢字1文字を選びその漢字が持つ意味を絵で表現しました。また緑丘小学校の4年生は世界のお弁当と題した作品を出品。中国やイタリア、ロシアなど色々な国の食文化を調べギョーザやスパゲティをダンボールなどで作りました。弁当箱にも、その国の写真を貼るなど工夫されています。このほか、赤崎小学校児童による近くの竜王山にちなんだ民話をもとにした版画作品や、琴浦北小学校児童による備前焼のランプシェードも展示され訪れた人たちの目を引いていました。児童生徒たちの個性溢れる作品を集めた倉敷っ子美術展は、今月24日(日)まで倉敷市立美術館で開催されています。
贈呈式では、3枚の地図パネルが倉敷市の吉田雄平教育長から田代浩校長と地区の代表者3人に手渡されました。寄贈されたのは今から136年前、明治6年に描かれた琴浦地区の地図です。パネルは、現在、倉敷市の歴史資料整備室が保管しているおよそ畳6畳分の大きさの原本を写真に撮ったものです。この地図の存在を知っていた琴浦西小学校の児童クラブの代表を務める金堂 驍通さんが、「この地図の複写を学区の宝として、琴浦西小学校に贈りたい」と市へ働きかけ、今回の寄贈が実現しました。琴浦西小学校の田代浩校長は、「児童たちの郷土学習に役立てるとともに参観日やPTA総会などで、校舎内に展示し、地域の人たちにも紹介していきたい」と話していました。
標高150mの日差山。山頂には毘沙門天が祀られていて、旧暦の初めて寅となる「初寅」の日に地域こぞってお参りする慣わしがあります。年に一度のお祭りですが、山頂へは朝から大勢の人たちが歩いて参拝にやってきました。日差山の歴史は古く、1200年前の奈良時代にまでさかのぼります。山頂にたどり着いた参拝者は岩に掘り込まれた「毘沙門天」を前に手を合わせ、無病息災を祈っていました。また本堂ではお払いも行われたり、地元の女性部が「うどん」を振舞ったりと賑わいました。
池田遥邨は日本画壇を代表する画家で、1986年には倉敷市の名誉市民にも選ばれています。倉敷市立美術館では、これまで数多くの池田遥邨の作品展を開催してきましたが、今回の企画展の主役は「子ども」。多くの子どもたちに池田遥邨の作品と人となりに触れてもらいたいと開かれました。会場には、自然をテーマに描いた池田遙邨の作品32点が「風景」、「植物」、「動物」、「人間」の4つのコーナーに分かれて展示されています。「人間のコーナー」では、流浪の俳人・種田山頭火の影響を受けた遙邨は山頭火の俳句をモチーフに多くの絵を描き、遙邨自身も山頭火の姿を真似て旅をしています。また、「風景のコーナー」では、同じモチーフで描かれた制作時期の違う作品を対比して展示しており、遙邨の作風の変化が確認できます。「動物のコーナー」には、遙邨の代表作のひとつ「森の唄」が展示されています。まるで子どもが描いたようなタッチの作風で、フクロウやシカなどをユーモラスにとらえています。この「森の唄」の作品の横には、フクロウや野ウサギなどのはく製を飾るなど、幅広い年代が楽しめる内容となっています。この「こどものための池田遙邨展」は、今月24日まで倉敷市立美術館で開かれています。
今年、琴浦西小学校へ入学するのは76人です。1年生の教室に入った園児たちは、1年先輩のお兄さん、お姉さんとぬり絵やじゃんけんゲームをするなど、一足早い小学校生活を楽しみました。園児らは初めて訪れた学校の教室ではじめは少し緊張気味でしたが、1年生の優しいアドバイスを受けるうちにすっかり打ち解け、笑顔で仲良く交流を楽しんでいました。また、もうすぐ後輩ができる1年生は、国語の授業で勉強しているお話を園児に読んで聞かせたり、園児がトイレに行きたがると、手を引いて連れて行ってやるなど、頼もしい先輩ぶりを発揮していました。最後に、1年生から園児たちにこんなプレゼントが贈られました。1年生の先輩たちからメッセージつきのメダルをプレゼントされた園児たちは間もなく始まる小学校での楽しい生活を期待し目を輝かせていました。