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惑星:「誕生の場」をすばる望遠鏡で撮影

すばるで撮影した最も軽い星の円盤=国立天文台提供
すばるで撮影した最も軽い星の円盤=国立天文台提供

 若く軽い恒星の周りで、地球のような固体の惑星の誕生の場となる円盤状のチリを撮影することに、総合研究大学院大と国立天文台などの研究チームがすばる望遠鏡(米ハワイ島)を使って成功した。中心の恒星の重さは太陽の10分の1で、円盤の重さとともに、これまでに撮影された中で最も軽い。チームは「地球型惑星の誕生過程を探る上で絶好の観測対象だ」と話している。固体の惑星だけが誕生すると思われるチリの円盤が直接観測されたのは初めて。米の天体物理学専門誌で発表した。

 惑星は、太陽のような恒星の誕生時に、恒星の周りに円盤状に集まるガスとチリからできる。恒星が太陽以上の重さだと円盤も重くなって木星のようなガス状の巨大惑星ができ、その内側にできる地球型惑星は観測しにくくなる。

 同大の工藤智幸博士らは、年齢約10万年と若く、地球から約460光年の距離にあるおうし座内のFN星(15等星)を、すばる望遠鏡の近赤外線カメラで観測。FN星の輝きを隠して撮影のうえ画像処理し、円盤表面のチリで反射された光の画像を得た。

 円盤の半径は地球-太陽間の約260倍、質量は地球の約2100倍で、FN星の6%にあたる。円盤の質量と分布から、地球質量以下の小さな固体惑星だけが複数個生まれると予想されるという。チームは「より詳細に観測すれば、惑星ができるときにチリが集まる様子がとらえられるかもしれない」と話す。【須田桃子】

毎日新聞 2008年2月8日 23時04分 (最終更新時間 2月8日 23時12分)

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