「デイトレーダーはバカ」　経産省次官、講演で発言

　経済産業省の北畑隆生事務次官が、先月開かれた同省の関連団体の講演会で「デイトレーダー（短期取引を繰り返す個人投資家）は最も堕落した株主の典型。ばかで浮気で無責任だから、議決権を与える必要はない」と不適切な表現を含む発言をしていたことが８日、明らかとなった。北畑次官は「慎重さを欠いた」と釈明したが、今後波紋を広げる可能性もある。

　講演会は経済産業調査会の主催で１月２５日に都内のホテルで開かれ、企業関係者など約１３０人が参加。

　北畑次官は「企業は株主のものか」という題で約２時間、自説を展開。その中でデイトレーダーについて「（経営）能力がないという意味ではばか。すぐに（株を）売るということで浮気者。無責任、有限責任で配当を要求する強欲な方」と発言したという。

　講演は市場政策について幅広く言及しており、北畑次官は「一部分だけ取り上げられるのは本意ではない」としている。

　甘利明経産相は８日の閣議後会見で「講演を盛り上げようとして若干過激な表現を使ったようだ」と述べ、北畑次官に対し「誤解を与えないようにした方がいい」と諭したことを明らかにした。

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　■デイトレーダー　主に株取引で使われる言葉で、デイトレード（日計り商い）を継続的に行う者を差す。1日に複数回の取引を行い、細かく利益を積み重ねる売買を行う。1日で数百万円〜数億円の利益を得たり、失ったりと、ゲーム性や依存性が高いとされる。