大阪放送局

2008年2月8日 22時8分更新

26億円で韓国系企業に落札


大阪市交通局の車庫の跡地に設けられた大阪・浪速区の遊園地「フェスティバルゲート」は、経営破たんにより土地と建物の入札が行われ、韓国系の企業により26億円で落札されました。

大阪市は、これまでに200億円以上の公費を投入しながら、その13%足らずの金額で手放すことになりました。
フェスティバルゲートは、大阪市交通局の車庫の跡地の再開発事業として、銀行に土地を信託して運営されてきましたが、入場者の伸び悩みなどにより経営が破たんし、大阪市は自力での建て直しを断念して、土地と建物を売却する入札をきょう行いました。
その結果、韓国の複数の企業が出資して去年9月に設立された大阪・淀川区の「FESTIVALPLAZAAPP」という会社が、26億円で落札しました。
会社が大阪市に提出した事業計画によりますと、現在ある建物を利用して、アジア・太平洋地域の特産品の販売店やレストラン、それに映画館などの入った複合商業施設を、今年10月にオープンさせる予定です。
フェスティバルゲートは、平成16年に事業を清算した際に大阪市が200億円を負担したほか、その後も施設の維持に4億円が使われ、大阪市は投入した巨額の公費の13%足らずの金額で施設を手放すことになりました。
これについて大阪市の平松市長は「投入したお金に比べてはるかに少ないお金になってしまったが、それを処理せずに持っていることの方が問題が大きい。地域に人の流れができて『フェスティバルゲート』と名前を付けた当時のようなにぎわいが戻ってくればいいと思う」と述べました。
フェスティバルゲートを落札した会社は、8日午後、大阪市内で記者会見し、国内やアジア各国の観光客をターゲットにした施設を検討していることを明らかにしました。
会見での説明によりますと、この会社は韓国の中堅企業の経営者ら10人が出資し、フェスティバルゲートの再開発を行う目的で去年9月に設立されました。
国内やアジア各国の観光客をターゲットに、レストランや特産品の販売店、それにアジア映画専門の映画館などの入った複合型の施設にする計画ですが、具体的なテナントなどは、今後、交渉を進める考えです。
キム・デソン(金大成)社長は「自分の好きな日本で事業に携わることができて光栄だ。今はアジア・太平洋の時代だと思うので、時代に合った施設になるよう進めていきたい」と述べました。