4月に実施する診療報酬改定に向け、個別項目の点数設定を審議してきた中央社会保険医療協議会(中医協、会長=土田武史・早稲田大商学部教授)は2月8日の総会で、主要な改定項目の審議を一巡した。早ければ13日にも2008年度診療報酬改定の答申書をまとめ、厚生労働大臣に答申する。
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10対1入院基本料、点数引き上げへ
中医協、前橋で公聴会を開催 この日の総会は、次期診療報酬改定について国民から寄せられた意見(パブリックコメント)の集計結果や前橋の地方公聴会での意見などを厚労省が紹介した後、個別の改定項目の議論に入った。
総会では、積み残しになっていた「10対1入院基本料の引き上げ」のほか、勝村久司委員(日本労働組合総連合会)が強く求めている「明細書の無料化」などの問題を最初に審議した。
「10対1入院基本料の引き上げ」については、前回の総会で対馬忠明委員(健康保険組合連合会専務理事)が「唐突感がある。基準に関する議論がなされていない」と不満を表していた。この日、保険局の原徳壽医療課長が「10対1入院基本料の引き上げ」の提案が遅れた理由(財源の問題)や、7対1入院基本料と10対1入院基本料との格差縮小の必要性などを説明し、点数の引き上げは了承された。
もっとも、対馬委員は「入院基本料は診療所で言えば初・再診料に該当する基本の部分。看護補助加算も含めた在り方について改めて議論することを答申書の付帯意見に盛り込んでほしい」と求めている。
一方、明細書の発行に伴う実費を徴収する結論は動かなかったが、「実質的に明細書の入手の妨げとなるような料金を設定してはならない」と、厚労省が歩み寄って合意に至った。
このほか、「後期高齢者医療制度」、「歯科の診療報酬」、「調剤報酬の見直し」などの診療報酬上の評価について審議し、いずれも了承された。
土田会長は「08年度の診療報酬改定については中医協として一応の合意が形成されたと理解している。これまでの経過を踏まえて事務局で厚生労働大臣への答申書案を作成し、次回審議する」とまとめた。
早ければ、13日に08年度診療報酬改定を答申する。
この日の総会では、答申書に盛り込む付帯意見が複数の委員から出ている。対馬委員は10年度の診療報酬改定で入院基本料や看護補助加算の在り方について改めて議論するよう求めたほか、他の委員が回復期リハビリテーション病棟の質の評価の導入に伴う影響などについても検証するよう主張した。
また、土田会長は10年度の改定に向けた課題として、病院と診療所の初・再診料や基本診療料の抜本見直しを挙げている。
更新:2008/02/08 20:39 キャリアブレイン
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08/01/25配信
高次脳機能障害に向き合う 医師・ノンフィクションライター山田規畝子
医師の山田規畝子さんは、脳卒中に伴う高次脳機能障害により外科医としての道を絶たれました。しかし医師として[自分にしかできない仕事]も見えてきたようです。