名護市に再編交付金支給へ/アセス受け入れで
政府は七日、米軍再編への協力の見返りに関係自治体に支払う再編交付金をめぐり、米軍普天間飛行場の移設先である名護市への支給凍結を解除する方向で調整に入った。複数の政府関係者が明らかにした。
普天間飛行場の代替施設は名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部に建設する方針だが、同市が建設予定地をさらに沖合に移動するよう求めているため、支給を見送ってきた。しかし「強硬に構えるだけでは、移設問題の進展はない」と判断、名護市が環境影響評価(アセスメント)実施を受け入れることを条件に支給を前向きに検討する。交付により、建設地問題での名護市の軟化を促す狙いもありそうだ。
政府は名護市をはじめ再編計画を受け入れない山口県岩国市や神奈川県座間市も支給対象から外してきたが、前防衛事務次官の守屋武昌被告(収賄罪で起訴)が主導した「アメとムチ」を使い分ける路線の軌道修正を図った形だ。
米空母艦載機の岩国基地移転の是非を争点にした岩国市の出直し市長選(十日投開票)にも影響を与える可能性がある。
政府高官は「名護市は移設そのものは受け入れている」と指摘。防衛省筋も「名護への支給を検討している」と認めた。