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外国人地方参政権/各界の意見聴取し実現を
日本に永住する外国人が、自治体の知事・市町村長や議員の選挙で投票できるようにする「地方参政権付与法案」を成立させる動きが、国会で活発になっている。
地方参政権は多くの在日韓国人が長年強く要望している懸案だ。しかしこれまで国会に提出された法案は、自民党の反対で廃案や継続審議を繰り返してきた。今年は韓国で新大統領が就任する。地方参政権が実現すれば、韓国との信頼強化の一助になるだろう。
今回の動きは、民主党の小沢一郎代表が地方参政権付与に前向き発言をしたのがきっかけだった。これにかねて参政権付与に積極的な公明党が呼応し、ほかの野党も加わってにわかに法案成立の機運が盛り上がった。
自民党内には、小沢発言に対し「ねじれ国会」で与党を分断する思惑があるという見方もあるようだが、日韓関係強化という国益の視点で考えてもらいたい。
もう一つは、外国人との共生という視点である。地方分権時代を迎え、その地域に住む外国人と一緒に地域を考えることが求められている。参政権付与は住民参加の自治実現の観点からも重要だ。
自民党は反対論が根強く、民主党も慎重派が勉強会を開くなど一枚岩ではない。それだけ外国人参政権付与をめぐって、多様な意見があることを示している。公聴会で広く各界の意見を聴きながら、与野党協力して法案成立に努力してほしい。
国会では公明党が二〇〇五年に提出した法案が継続審議になっている。公明党案は市町村選管に登録した二十歳以上で、日本国民に地方参政権を認めている国出身の永住者に、首長と議員の選挙権を認めるとしている。
韓国では〇五年に十九歳以上の永住外国人に地方参政権が認められた。この結果、〇六年の統一地方選で韓国人と結婚した日本人女性などが一票を投じた。
公明党案は首長解職や条例制定請求の投票は認めていない。理想をいえば、リコール投票にも拡大し、永住者だけでなく例えば定住五年以上の外国人にも門戸を開くことが望ましい。一挙にそこまでいくのが無理なら、公明党案は「第一歩」となる。
外国人の地方参政権に反対する理由として「参政権は地方選を含めて国民固有の権利である」ということがいわれる。そこから「投票したいなら日本国籍を取得すべきだ」という主張になる。
しかし国籍取得の手続きが厳格すぎるという問題が指摘されている。自民党の反対派や民主党の慎重派からは、参政権付与に代えて国籍取得要件を緩和する動きもあるようだ。むしろ、これは地方参政権付与と並行して、改善に取り組むべきことだろう。
また韓国に住む日本人永住者は百人程度に対し、在日韓国・朝鮮人は四十万人を超し「バランスを欠く」という主張もあるようだ。しかし歴史的背景に目をつぶる方が、よほどバランスを欠いているのではないだろうか。
最高裁は一九九五年に「法律で永住外国人に首長と議員の選挙権を付与するのは憲法上禁止されていない」という判断を示している。立法府(国会)はその期待にこたえてほしい。
('08/02/08
無断転載禁止
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