岡山電気軌道(岡山市岡南町1丁目、小嶋光信社長)と中鉄バス(同市磨屋町、藤田正蔵社長)は6日、岡山市内の4路線で7月から共同運行を開始することに合意し、両社長が合意書に調印した。両社は06年11月、規制緩和後に加速した競合関係から協調関係への転換に合意しており、今回の共同運行で、両社間の問題はすべて解消されるという。 共同運行するのは、岡電の天満屋―津高線(7・2キロ)と中鉄の天満屋―国立病院線(9・5キロ)、同―免許センター線(15・3キロ)、同―半田山ハイツ線(11・2キロ)の4路線。中鉄の芳賀佐山団地線、稲荷山線などと重複するため、岡電の岡山駅―万成線は廃止する。 現在、両社で計205本運行している4路線の本数を折半。同区間には中鉄がICカード対応バスを18両投入する。岡山駅などで分散している乗り場は統一。ダイヤ、本数は今後、両社が協議調整して決める。 両社の和解への道は、06年9月ごろから始まり、07年1月に競合していた岡山空港リムジンバスの共同運行、新保地区の運行分担化などが実現した。その後、現場や利用者の状況を踏まえ、小嶋社長が昨年7月に再度話し合いを持ち、藤田社長に残る4路線の協調を提案。同11月に合意し、現場での調整を続けていた。 これまで同じ時間帯で、前後に同方面のバスが並んで走る場面もあったが、小嶋社長は「乗客にとって分かりやすい路線に、会社にとって効率的な運行ができ一石二鳥」とメリットを強調。藤田社長も「岡山の交通はどうあるべきかという考えに立った」と説明し、経営問題との関係性については「二義的問題」と一蹴した。 また、岡山駅バスターミナルの方面別化について、小嶋社長は「ダイヤの問題が解決しないと乗り場がパンクするため、共同運行による整理が先決だった」と説明し、必要な運行路線の調整は、大方のめどが付いたとの見解を示した。