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ギョーザ人気は不動 報道が刺激?
中国製ギョーザ中毒事件で、冷凍食品の買い控えが進む中、手作りギョーザ用の皮や具のひき肉、ニラなどは売り上げが急増。風評被害を懸念した各地のギョーザ専門店でも、新規の客が増えている。専門家は「久しく食べていない人が報道で刺激された」と分析。思わぬ形で「安全」なギョーザが人気を呼んでいる。
●冷凍食品離れ
事件を受け厚生労働省が今月1日から設置した相談電話には、6日までに1261件の相談があった。「今はギョーザよりも牛丼、カレー、今川焼きといった冷凍食品全般についての不安がほとんど」(監視安全課)という。
大手スーパーのダイエーでは、発覚後の先月31日からの4日間で冷凍食品の売り上げが前年比30%ダウン。事件は冷凍食品業界に大きな打撃を与えている。
逆に人気なのは手作りギョーザ。ダイエーではギョーザの皮の売り上げは60%アップし、材料によく使われるニンニクやひき肉も、国内産はそれぞれ80%、50%増えた。
イトーヨーカドーでもギョーザの材料は3〜5割増と好調。「一部店舗では手作りギョーザコーナーを特設した」(セブン&アイ・ホールディングス広報)といい、主婦層に好評という。
●専門店は盛況
「イメージダウンの影響をかなり心配していた」と話すのは東京・新橋にある「一口餃子クーニャン」オーナーの浦田ミカさん。だが、事件後も客足は変わらず、「新規のお客も多くなった。『ちゃんとした店でギョーザを食べたい』といわれた」と一安心の様子。
ギョーザの街、宇都宮市でも影響は小さいようだ。専門店「さつき」の山下登貴雄店長は、「以前から国産材料をPRしているから、事件が起きてからも来店者は安定している」と語る。
マンボミュージシャンでギョーザ研究家でもあるパラダイス山元さんは「日本人でギョーザが嫌いな人はいない。新聞の一面に『ギョーザ』の単語が並ぶことは異例で、久しく食べていなかった人の脳を刺激し、食べるきっかけを作っているのでは。手作りギョーザの流れは加速するでしょう」と話している。