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輸送過程に異常なし 中国公安当局が確認
このニュースのトピックス:中国経済
中国製ギョーザ中毒事件で、中毒を引き起こしたギョーザを積んだコンテナは河北省石家荘の天洋食品の工場を出発後、途中で開封されることなく天津港に到着、船積みされていたことが中国の公安当局の7日までの捜査で確認された。捜査状況に詳しい中国の公安関係者が明らかにした。
中国の公安当局が国内の輸送経路を綿密に捜査、問題がなかったことが判明したことで、殺虫剤の混入は工場出荷前か日本国内に絞られた形となる。
公安関係者によると、捜査の結果、天津港に到着した際、コンテナの扉は封印されたままの状態で、船積みされるまでの過程でも開封されることはなかった。工場から天津港までのトラック輸送についても「異常はなかった」という。
これらの捜査結果を受けて公安関係者は、日本側での事件でないと仮定した場合、「中国の工場内で(中毒の原因となった有機リン系殺虫剤の)メタミドホスが人為的に混入された可能性が高いのではないか」と指摘した。
考えられる犯人像としては(1)天洋食品に反感を抱く者(2)反日感情を抱いている者(3)今年夏の北京五輪を失敗させようと企てている者−を挙げた。
公安当局は事件が解決するまで、工場周辺だけではなく天津港での捜査も継続する方針という。
兵庫県と千葉県で被害が出たギョーザは、いずれも天洋食品で製造され、天津港から日本の港に運ばれた。いずれも工場出荷直後にコンテナの扉を鉛で封印する「ドアツードア」方式で、天洋食品側は中国内の輸送段階で汚染される可能性はないと説明していた。
日本の警察当局はメタミドホスが(1)日本では流通していない(2)千葉、兵庫の被害者が食べたギョーザが共通の場所に保管されたのは中国国内−などの点から、日本に輸出される前に混入された可能性があるとみている。(共同)