現在位置:asahi.com>ビジネス>産業・経済> 記事

新車販売、冷え込む北米市場 国内大手10社

2008年02月07日23時14分

 自動車メーカーの07年10〜12月期連結業績が7日出そろった。最大市場の北米では、9社のうち5社が前年同期より販売台数を減らした。サブプライムローン問題や原油高が響き、足元の需要が冷え込んでいるためだ。販売競争は激化する一方で、もうけは減少しつつある。

表

自動車9社の07年10月〜12月期の北米販売台数

 07年10〜12月の北米新車販売(連結)は、トヨタ自動車が8000台の減少。トヨタが北米での販売を減らすのは03年4〜6月以来、4年半ぶり。鈴木武専務は「一時的に米市場は落ち込んでいる」との認識だ。

 三菱自動車もスポーツカー「エクリプス」が伸びず、3000台の減少だ。影響はトラックメーカーの方が大きく、日野自動車やいすゞ自動車は10%以上のマイナスだった。堅調な日産自動車やホンダにしても「サブプライムの影響は間違いなくある」(日産の田川丈二執行役員)、「北米は慎重なハンドルが必要だ」(ホンダの近藤広一副社長)との声が出る。

 販売の伸び悩みを受けて、トヨタは北米の通期販売見通しを昨秋時点から2万台下げ、297万台とした。同様にホンダが2万台減、三菱自も1万台減と、販売計画を下方修正する動きが広がっている。

 厳しい市場環境の中、マツダは1台当たりの販売奨励金を1年前の1800ドルから2100ドルに積み増した。これで北米の販売台数は12%伸びたが、奨励金負担もあって同社の10〜12月期の連結営業利益は前年同期比6%減となった。

 トヨタも北米専用の大型車「タンドラ」の奨励金を高水準で維持している。この3カ月間の同社の北米での営業利益は636億円と、前年同期を355億円下回った。「金利スワップ」という金融商品の評価損計上が大きいものの、奨励金も減益の一因だ。

 

 日産など一部メーカーでは、現地の販売金融子会社が設定した自動車ローンで支払い遅延がわずかに増え始めているといい、貸し倒れ引当金を積み増す動きも出ている。

 今年の北米市場の全体需要については「1550万台から1600万台」(日産)など、1600万台の大台を割り込むとの予測が増えている。

PR情報

このページのトップに戻る