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2月7日のながさきニュース
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長崎新聞
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強制わいせつ逆転無罪 島原の男性に福岡高裁判決
二〇〇六年十二月、島原市内の駐車場で飲食店従業員の女性(43)の胸を触ったなどとして強制わいせつ罪に問われた島原市本光寺町の会社役員、山口隆司被告(44)の控訴審判決が六日、福岡高裁であった。陶山博生裁判長は懲役六月、執行猶予三年(求刑懲役一年)とした一審・長崎地裁島原支部の有罪判決を破棄し、逆転無罪を言い渡した。
陶山裁判長は判決理由で「被害女性の証言は不合理さがあり、本当に被害に遭ったのか疑問を抱かざるを得ない」と述べた。
判決によると、山口被告は〇六年十二月二十八日午前二時四十五分ごろ、島原市上の町の駐車場に止めた軽乗用車内から女性を引っ張り出して駐車場奥に無理やり連れて行き、胸を触るなどのわいせつ行為をした、として逮捕、起訴された。陶山裁判長は▽女性がわいせつ被害を受けた直後に自分の携帯電話を探すため山口被告の携帯電話を借りているのは不自然▽車内から引っ張り出される際に女性がつかんで引きちぎれたとされるカーテンが破損していない▽女性は大声を上げて助けを求めているが、近くにいたタクシー運転手が悲鳴を聞いていない−などと指摘。「一審判決は事実誤認がある」と結論づけた。
昨年九月の一審判決は山口被告が女性に謝罪したことを理由に有罪判決を言い渡したが、陶山裁判長は「わいせつ行為はしていないものの、穏便に運ぶ意図で相手に逆らわずとにかく謝罪することはあり得る。謝罪した事実だけでわいせつ行為を認められない」と退けた。
山口被告は昨年一月二十五日に島原署に逮捕されてから「酔った女性を介抱するため背中をさすっただけ」と一貫して否認。約百六十日間にわたり身柄を拘束された。山口被告は「ここまで長かったが、家族や友人らに支えられた。ちゃんとした判断をしてもらいありがたい」と喜びを語った。
同署の安本眞二署長は「警察の捜査は適正だった」とコメントした。
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