わいわい広場
「わたしも一言」
皆さんのご意見を募集しております
トップ > 中日スポーツ > 芸能 > 紙面から一覧 > 記事
【芸能】「いい歌は循環…それが僕の使命」 中西保志、再ブレークの兆し2008年1月26日 紙面から
バラード曲「最後の雨」で知られる歌手の中西保志(46)が、日本人アーティストのヒット曲をカバーしたアルバムシリーズで再ブレークの兆しを見せている。第2弾の「スタンダーズ2」(昨年11月7日発売)は、大人のための癒やし系作品だ。中西は本紙のインタビューに「いい歌は循環させないといけない。それが僕の使命」と、カバーアルバムの意義を主張。10年ぶりとなるオリジナルアルバムの制作にも意欲を示した。 (江川悠) 「欧米では、過去の名曲がいろんなアーティストに歌い継がれているのに、日本では、その時代の風景になってしまっている。いい歌は循環させないといけない。そういう僕の“基準”をタイトルに込めました」 徳永英明のカバーアルバム「Vocalist」シリーズ3作が大ヒットする中、デビュー15周年を迎えた昨年、「スタンダーズ」と題したカバーアルバムシリーズ2作を発売。2作目の「−2」には、自身が選曲した松田聖子の「SWEET MEMORIES」や、SMAPの「夜空ノムコウ」、一青窈の「ハナミズキ」など12曲が収録されている。 中西は、今月17日放送のフジテレビ系情報番組「とくダネ!」に生出演し、企画コーナー「朝のヒットスタジオ」で「最後の雨」を熱唱。その際、司会の小倉智昭(60)が、同アルバムを絶賛し、同日の「オリコン」デーリーチャートで、前日の200位圏外から21位に急上昇。28日付の同ウイークリーチャートでも、74位にランクインした。 「いい音楽を聴いて、『気持ちいい』とか、『この人のほかの曲も聴きたい』と思ってもらうことが大事。いちばんいい音楽との出合い方は、出合い頭なんです。僕のアルバムもそうであってほしい」 自身の過去の苦い経験も、カバーへの認識を変えた。「最後の雨」以降は大ヒットが出ず、98年に当時の所属レコード会社から契約を解除された。それでも、インディーズでCDをリリースするなど、歌い手としてのプライドを捨てずに努力を重ね昨年、「徳間ジャパンコミュニケーションズ」とメジャー契約した。 「楽曲を発表する場がないことは深刻でした。宿命なんだなと。今出しているものが評価されなければ、アーティストとして気取って存在していられる余地がない。今でも背中合わせ。それができなければ、マイクを置かなければならない」 再び、脚光を浴び始めた奇才のボーカリスト。カバーアルバム第3弾も念頭にあるが、目下の狙いは、約10年ぶりとなる7枚目オリジナルアルバムの制作だ。 「そのための準備はやっていくつもりです。僕はもっとたくさんの人に提供できるものは持っていると思う」 瞳の奥から自信が光った。 ◆テレビ効果でアルバム23位中西が昨年2月に発売したカバーアルバム第1弾「スタンダーズ」も、テレビ出演の効果で17日付「オリコン」のデーリーチャートで23位を獲得した。同アルバムには、桑田佳祐の「真夏の果実」、竹内まりやの「シングル・アゲイン」、浜田省吾の「もうひとつの土曜日」など11曲のほか、中西がセルフカバーした「最後の雨2007」をボーナストラックに収録している。 【中西保志(なかにし・やすし)】 1961年7月18日生まれ、奈良県出身。同志社大学経済学部卒。92年に「愛しかないよ」でデビュー。同年8月に発売した「最後の雨」が通算80万枚超の大ヒットに。95年発売のバラードベスト「It’s only a ballade」はオリコンチャートで2位を獲得。03年には、小椋佳が企画した「ぶんざ」で主演し、ミュージカルに初挑戦。
|