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【愛知】

朝鮮の伝統文化を伝えたい 日本の学校に通う在日コリアンに

2008年2月6日

朝鮮の伝統的な遊びユンノリを楽しむ参加者ら=名古屋市東区のウィルあいちで

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 日本の学校に通う在日韓国・朝鮮人に朝鮮半島の文化を伝える活動「遊びの広場」を行っているNPO法人「コリアンネットあいち」(名古屋市北区)が来月22日に締めくくりの「ノリマダン(遊びの広場)フェスタ」を東区のウィルあいちで開く。事務局長の金順愛(キム・スネ)さん(45)は「活動を通し、日常生活で朝鮮文化に全く触れていない在日の子もいると感じた。もっと多くの人に自分のルーツを知ってほしい」と話している。

 コリアンネットあいちは今月2日、第8回遊びの広場を、ウィルあいちで開催した。在日コリアンとその友人の日本人の小学生ら15人が参加。この日は旧正月を前に、在日2、3世のスタッフから、墓参りや田植、七夕など朝鮮で12あるという「名節」の説明を受けた。

 子どもらは、ペンイ(コマ遊び)、ユンノリ(すごろく)、チェギチャギ(羽根けり)といった朝鮮での正月の伝統的遊びも体験。「もう1回やろう」「うまくできたよー」と、在日コリアンも日本人の子どもたちも文化の壁を越えて、一緒に大はしゃぎで楽しんだ。おやつにトッポギ(もち煮込み)も味わった。

 「遊びの広場」は、昨年6月から公的助成を受けて実施。これまでの活動を振り返って、金さんは「市内の全小学校に資料を配ったが、なかなか参加者が集まらないのが実感です」と活動の難しさをにじませる。

 だが、「正月に必ず食べるトックッ(雑煮)を知らない子も多い。スタッフも勉強しながら伝えている。続けないと、子どもらが将来、自らの出自を知らず寂しい思いをする」と、金さんは力を込める。

 締めくくりの「ノリマダンフェスタ」は3月22日午後1時半−4時半。朝鮮語を使って好きなテーマについて1分間話すコンテストや在日コリアン科学者による講演、コリアン料理食べまくり(1品100円)のイベントなどがある。参加費は無料。事前の申し込みが必要で、問い合わせは=コリアンネットあいち電(910)3309=へ。

 (石屋法道)

 

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