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Thunderbirdの設定をバックアップする

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 中塚 寛幸
2005/10/22
 
対象ソフトウェア
Thunderbird
Thunderbirdのバージョン・アップやWindows OSの再インストールを行うと、メールの設定が消えてしまう。
Thunderbirdではアプリケーション設定とユーザー情報をプロファイル・フォルダに保管している。
プロファイルをバックアップしておけば、同じ環境を素早く再現できる。
 
解説

 Mozilla Foundationの配布しているメーラ「Thunderbird」は、アプリケーション設定やユーザー情報をプロファイルとして1つのフォルダに保存している。プロファイルには各種エクステンションやテーマなども納められている。

 あまり多くはないが、Thunderbird(あるいはブラウザやIRCクライアントを統合したMozilla Suite)にもセキュリティ・ホールや脆弱性が見つかることがあり、アップデートされている。Windows版では、通常はパッチという形で差分を配布せずに、フル・インストーラ版が更新される。新しいバージョンを入手して上書きインストールを行うと、古いバージョンで使っていたプロファイルが消えてしまう。また、マシンの不調といった理由でWindows OSを再インストールする際にも、当然ながらプロファイルは削除されてしまう。

 そこで、オリジナルのプロファイルを保存しておき、再インストール後にコピーすれば、素早く元の環境を再現することができる。

 また複数台のマシンを使っていたり、マルチ・ブート環境に設定したりしている場合に、同じメール環境で作業したいことがある。そのような場合にも、Thunderbirdをインストールしてからプロファイルをコピーすることでメール環境を統一できる。

 Thunderbirdの更新や不慮の事故に備え、プロファイルのバックアップ、プロファイル・マネージャでの管理をしておきたい。


操作方法

 Thunderbirdをインストールすると、プロファイルが作成される。プロファイルは、「%AppData%\Thunderbird\Profiles」の下に「????????.default」(?はユニークな半角英数1文字)という名前でフォルダが作成され、保存される。プロファイルごとに、ユニークで異なる名前のフォルダが作成される。

使用しているプロファイルを探す

 現在使用しているプロファイルがどのフォルダなのかは、%AppData%\Thunderbird\profiles.iniファイルに記述されている。

[General]
StartWithLastProfile=1

[Profile0] ……プロファイル番号「0」
Name=Note ……プロファイル名「Note」
IsRelative=1
Path=Profiles/n0urig7x.default ……プロファイルの保存フォルダ

[Profile1] ……プロファイル番号「1」
Name=Default ……プロファイル名「Default」
IsRelative=1
Path=Profiles/08qki0mf.default ……デフォルト・プロファイルの保存フォルダ
Default=1 ……デフォルト・プロファイルを示す設定

 Thunderbirdをオプション指定なしで起動すると、この場合は、デフォルトとして指定されている[Profile1]プロファイルが使用される。Profile1の実体は、profiles.iniから相対パスで「Profiles\08qki0mf.default」に存在することが分かる。フォルダの区切り文字がWindows標準の「\」(あるいはバックスラッシュ)ではなく、「/」(スラッシュ)である点に注意する。

プロファイルのバックアップとリストア

 プロファイルの実体を探し当てたら、次にフォルダごとバックアップする。エクスプローラやCOPYコマンドなどを使って適宜コピーしよう。コピーする際にThunderbirdが実行中である場合には、parent.lockというファイルのみコピーに失敗する。このファイルは起動しているThunderbirdが使用中のプロファイルをロックして整合性を保つためのファイルである。そのため、使用中でないプロファイルのフォルダには、parent.lockファイルは存在しない。

 次に、コピーしたプロファイルを別のシステムで稼働しているThunderbirdに適用しよう。まずThunderbirdを終了し、コピー先のシステムの「%AppData%\Thunderbird\Profiles」に、先ほどコピーしておいたフォルダを丸ごとコピーする。次に、「%AppData%\Thunderbird\profiles.ini」ファイルを編集してコピーしたプロファイルを追加する。コピー先のシステムがThunderbirdをインストールした直後であれば、この設定ファイルは以下のようになっているはずである(プロファイルの追加や名前の変更をしていなければ、ほぼ同じ内容となる)。

[General]
StartWithLastProfile=1

[Profile0]
Name=default
IsRelative=1
Path=Profiles/adf9giuw.default ……ユニークなフォルダ名となっている

 このファイルの最後に、以下の内容を追加し、保存する。

[Profile1]
Name=Master ……Profile0のプロファイル名と衝突しないように指定する
IsRelative=1
Path=Profiles/08qki0mf.default ……コピーしたフォルダ名を指定する
Default=1 ……デフォルト・プロファイルに指定する

 デフォルトのプロファイルをコピーしたプロファイルに指定したが、正しく設定できているかを確認したい。そこで、Thunderbirdのプロファイル・マネージャを呼び出し、明示的に指定しよう。確認してから、不要となったProfile0を削除しておけば後々の混乱が避けられるだろう。プロファイル・マネージャは、Thunderbirdに「-ProfileManager」オプションを付けて起動する。

プロファイル・マネージャの起動オプション
Thunderbirdをインストールすると、本体であるthunderbird.exeへのパスがとおるので、このように指定して実行できる。「-ProfileManager」がプロファイル・マネージャを起動するオプションである。

 プロファイル・マネージャで使用するプロファイルを選択し、不要なプロファイルを削除してThunderbirdの設定を完了する。End of Article

プロファイルを整理する
profiles.iniで設定してあるプロファイルが表示されるので、削除や名前変更などを行う。
  profiles.iniに記述したプロファイルのNameが列記される。ここで操作したいプロファイルを選択する。
  ここをクリックして不要なプロファイルを削除する。
  ここをクリックしてThunderbirdを起動する。
 
関連記事(Windows Server Insider)
  Windows TIPS:Thunderbirdで複数の子ウィンドウを表示させる
     
  関連リンク
  Thunderbirdダウンロード・ページ[日本語版][英語版]
  Mozilla Suiteダウンロード・ページ[日本語版][英語版]
     
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