デジャヴってのがあるんだが、それかと思ったんだが、コレだ。
再就職先を探している中高年者に「役員に迎える」とうそをつき、現金をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は詐欺容疑で、廃棄物処理機販売会社「三共システム」(東京都豊島区)元社長、田島瀧三郎(りゆうざぶろう)(69)ら4容疑者を逮捕した。ほかにも共犯2人について逮捕状を取っており、行方を追っている。
同社は新聞の求人欄などに中高年を対象とした「幹部募集」などの広告を掲載。応募してきた中高年者を“面接”しながら「役員になるには互助会入会が必要」とだましていた。被害者は60人以上、総額約1億円に上るとみられる。
こいつ、別の紙面では肩書きが違っている。YOMIURIのサイトでは「雑貨販売業」になっているんだが、いずれにせよ、実体は皆無で、仕事は何もしてなかったそうだ。まぁ、古典的な手口といってしまえばそれまでなんだが、
調べによると、田島容疑者らは2002年3月~06年5月、求人広告を見て応募してきた千葉県船橋市の男性(60)ら中高年の4人に、「役員の採用が決まれば役員互助会への入会が必要となる」などと偽り、一口70万円の入会金計490万円をだまし取った疑い。同社はJR池袋駅近くに事務所を置いていたが、実態はほとんどなく、採用した人に報酬をほとんど支払っていなかった。
別の被害者によると、互助会費の返還を求めても、同社は「資金繰りが悪い」と応じず、中には自費で購入した車を社有車として取り上げられたり、クレジットカードで勝手に買い物をされたりした人もいるという。
で、どうも覚えがある手口だと思ったら、コイツは昭和63年と平成6年にも同じ手口で捕まっているわけだ。懲役がだんだん長くなるところに、えも言えぬ風情があったりするんだが、あまり賢くないね。以前にもけっこう大きく報道されたので、覚えている人も多いと思うんだが。
ところで、
詐欺の基本は「人間、欲と二人連れ」というところにある。欲のない人間は騙せない。そもそも中高年では条件のいい就職口なんかないのに、「幹部募集」なんて広告で釣られる時点で、欲に釣られているわけだ。いやいや、年金貰っているから、ちょっと暇つぶし程度に働ければ、という人は、こういう詐欺には引っかからない。で、このところヤクザ屋さんのシノギになっているのが投資詐欺で、会社を作るとか言ってカネを取るわけだ。これは、複数の登場人物が絡んで、誰が加害者だか誰が被害者なんだかよく判らないし、糞株でも株を持たせておけば詐欺で立件しにくかったりして、ややこしい。簡単に言ってしまえば、飲み屋なんぞで意気投合した「自称・経営者」が、みんなで会社を作りましょう、というような話になって、ところが蓋をあけてみると、ホンモノの金持ちは一人だけ、残りはみんな見せ金長者でした、というようなストーリーだ。
で、会社は作るんだが、実体はない。でも、給料やらキャパクラ代やら、どかどか出て行く。何年もしないうちに倒産、と。実は、おいらの会社も創立当時はそうだったらしい。60年前なんだがw 当時はキャパクラではなく芸者だな。インチキ役員が毎晩飲み歩いて、資本金もわずかな売上もみんな使い果たし、来週には手形が不渡りになって倒産、というところで、おいらの親父が引き取って再建した。その間、市会議員が首釣ったり、あやしい連中がウロウロしたり、大変だったそうなんだが、さすがにおいらも生まれてないので詳しくは知りません。つうか、もう、知ってる人は誰もいない。まぁ、いずれにせよ、投資詐欺みたいなモノは、そんな大昔から繰り返される手口なのだ。で、それが今でもやっている、と。舞台がナントカヒルズになり、芸者がキャパクラになっただけだ。
「それから9月の15日に多田から会いたいと欠端に連絡があったんです。そいでまたロアビルの喫茶店に行くと、欠端に『何やっとんじゃ!!』怒鳴りまくられてしまったんです。そいで『もう人件費がかかっているんだ!!」と言われて、欠け端は『もう少し金策させてください』といったら『20日までに見せ金でいいから500万円を持って来い!!』と言われたんです」
「もう聞いていると典型的な保証金詐欺ですね。20日に金もって行ったら、書類書かされて、はいごくろうさいで終わりでしょう」
「まあそれに近かったです。見せ金でいいというから500万円持って、私と欠端が六本木の喫茶店まで行ったんです。そしたら蛇ヶ島が500万円を取ろうとするんですよ。『ちょっとまってください。見せ金でいいからということで持ってきただけです』と即座に回収しまたら。そしたら蛇ヶ島がえらい剣幕で『てめー、なめてんのか!!』と怒鳴り散らすんですよ」
佐藤立志のブログで、連載小説「ヒルズの午睡」というのをやっているわけだ。ヒルズのキングと呼ばれてネットで有名な「成り上がり」がウリの「多田」という男に1000万円、騙し取られたというドキュメンタリーフィクションなんだが、この物語は実在の人物とは関係ありません、ホントだよ、というヤツだな。で、共同事業でイー天の会長「生谷」の税金対策で預かっている7000万円と合わせて8000万円の会社を作るとか何とか、まぁ、アレです、人間、60年たっても成長してないものなんですね、というようなお話です。で、冷静になって考えてみりゃ、「カネが欲しい」から「カネを出す」というから行ったのに、なんで自分が「カネを渡す」方になっているのか不思議に思わなきゃいけないんだが、そこら辺が、ヤクザの手口なわけだ。おいらの仲間にも、この手口でカネ取られそうなヤツがいるんだが、幸い、カネなし、からっけつ男なので安心です。貧乏人は騙しても取るもんないしw
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