熊本市は4日、慈恵病院が設置した親が育てられない子どもを預ける「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」の昨年9~12月の運用状況について、検証結果を公表した。
市は運用状況に違法性がないか、病院に示した留意事項が守られているか、専門部会を設けて定期的に検証している。昨年10月に続いて2回目の検証だった。
専門部会の報告によると、刑法上の明らかな違法性はなかった。子どもの安全も確保されているが、個人情報管理の徹底を課題としている。
市はポストの設置にあたり「相談機能の強化」を病院に求めていた。報告によると、慈恵病院には4カ月間で172件の相談があった。遠隔地から出産直前に相談があり、民間相談員の協力で別の病院での出産に結びついたケースや、着の身着のままで慈恵病院を頼った母子が母子寮で保護されたケースもあったという。
赤ちゃんポストにはこれまでに11人が預けられたことが分かっている。【伊藤奈々恵】
毎日新聞 2008年2月5日