ジャカルタ――インドネシア保健省は4日、首都ジャカルタ西方のタンゲラン市に住む29歳の主婦が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染、2月2日に入院先の病院で死亡したと発表した。これで、同国における鳥インフルエンザ死者は世界最多の計103人となった。
同国では1日、先月28、30両日に男女計4人の死亡を発表したばかりだった。2日に死亡した女性は1月28日に入院していた。詳しい感染経路は不明だが、女性は隣人が鶏を飼育している両親の家を最近訪れていたことが分かっている。
インドネシアの死者では感染した家禽(かきん)類との接触が大きな原因となっている。
鳥インフルエンザ感染は2003年以降、アジア中心に一気に拡大した。他国では対応策の徹底で感染に一応歯止めが掛かっているが、インドネシアでは逆に増加傾向にあり、世界保健機関(WHO)などが迅速な対策の実施を求めている。
インドネシア政府はジャカルタでの家禽類飼育の規制を一応打ち出しているが、罰則規定がないなど施策が徹底していないとの批判も出ている。鶏が貴重なたんぱく源となっている背景もあり、住宅地から鳥類を完全に閉め出すことが難しい状況にもある。