2007年1月から12月までに発生した病院・診療所・歯科診療所など医療機関の倒産が計48件に達することが1月17日、帝国データバンクの集計で分かった。前年の30件と比較すると、1.5倍以上増えたことになる。
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帝国データによると、昨年には、1月に8件の医療機関が倒産するなど当初から高水準で推移。6月までの倒産件数は計31件になり、この時点で前年の30件を早くも追い越していた。その後も倒産は相次ぎ、年間では前年の1.5倍にあたる48件が発生。負債総額は476億6,200万円に達した=表。
集計は、経営難による破産や民事再生などの法的整理が対象で、いわゆる「資金ショート」や自主閉院などは含まれない。これらをカウントすれば、事業継続を断念したケースはさらに増えそうだ。
医療機関の倒産が急増する背景について帝国データは、バブル期の事業外投資などに伴う負債を抱える医療機関を、診療報酬の引き下げや医師不足、選択意識の高まりに伴う患者減などの要因が後押しした結果とみている。
倒産に至った要因や地域ごとの倒産件数を2月にもまとめるという。
06年4月には、診療報酬がトータル3.16%(本体部分は1.36%)ダウン。さらに、看護職員をどれだけ配置しているかで報酬に差をつける仕組みも強化されたため、病院を中心とする看護職員の争奪戦が社会問題化した。関係者の間には「これらの見直しによって経営的に行き詰まる病院が多発しかねない」という懸念が当初から広がっていた。
昨年には、千葉県内の医療法人が1月、看護師不足に伴う減収から民事再生に踏み切ったほか、7月には大阪府の医療法人が人件費高騰や他法人の買収失敗などから民再申請している。
更新:2008/01/17 21:33 キャリアブレイン
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08/01/25配信
高次脳機能障害に向き合う 医師・ノンフィクションライター山田規畝子
医師の山田規畝子さんは、脳卒中に伴う高次脳機能障害により外科医としての道を絶たれました。しかし医師として[自分にしかできない仕事]も見えてきたようです。