中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、製造元である中国の「天洋食品」の工場内で、袋詰めされて段ボールに入れられる包装工程で、有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が混入した可能性が強まってきた。メタミドホスが検出された商品が、同じ場所で包装袋の内外に混入する可能性があるのは、この工程に限られるからだ。商品がここにとどまるのは数分間。ここで混入したとしたら何があったのか。
輸入元「ジェイティフーズ」の親会社、日本たばこ産業(JT)などによると、メタミドホスが検出された「中華deごちそう ひとくち餃子」と「CO・OP手作り餃子」は、いずれも天洋食品の工場で1日で製造される。
工場の製造棟は3階建て。2階で野菜、ミンチなどの具材や皮を作る。その後、具材を皮で包み、蒸した後、1階の冷凍機で急速冷凍する。さらに、30~50人の従業員が手作業で袋詰め、箱詰めを行う。段ボール箱はテープで封され、工場内の冷蔵庫に保管される。
これまでメタミドホスは、袋の内外から検出されている。ひとくち餃子が昨年10月1日、手作り餃子は同20日と製造日は異なるが、人為的な混入があったと仮定し、同じ場所で両商品の袋の内外で混入する可能性があるのは、袋詰めから箱詰めの間の包装工程だけだ。輸入を仲介した「双日食料」の親会社「双日」によると、この間の作業時間は数分。
段ボールに箱詰めされた商品は、冷蔵庫での保管後、コンテナで出荷される。扉は密封されており、再び開けられるのは日本で陸揚げされてから。関係者の見方は「コンテナに入っている間は第三者による混入可能性はない」で一致する。
日本で陸揚げされた後、段ボール箱が開くのは、各店頭に届いてからだ。JT幹部は「段ボールを開け、テープを張り替えたりしていれば、担当者が気づくはず」と指摘しており、混入させるとすれば店頭だけが可能性として残る。
陸揚げ地は、ひとくち餃子が大阪港、手作り餃子が横浜港と異なり、その後店頭まで一致する経路はない。このため、同一人物や同じ目的による人為的な混入は考えにくい。
◆日本で混入の可能性も捜査
天洋食品の底夢路工場長は「厳格な生産管理、消毒制度で農薬事故は一度もない」とし、中国側での混入可能性を否定する立場を変えていない。日本の警察当局幹部は「袋外側のみの検出がある以上、国内での付着も想定しなければ」と話している。【宮川裕章、桐野耕一】
毎日新聞 2008年2月5日 15時00分 (最終更新時間 2月5日 16時22分)