国内で混入の可能性は? 中毒ギョーザの流通経路2008年02月05日12時39分 中国製の冷凍ギョーザによる中毒事件で、中国側は「製造サンプルや中国国内の回収品から有機リン系農薬成分のメタミドホスを検出できなかった」と説明した。これに対し、日本の警察当局は中国の製造段階で混入されたとの見方を強めている。千葉県の2件の中毒事件の原因になったギョーザの流通ルートを実際にたどってみると、日本に入ってから混入する可能性はほとんどないことが関係者の話からわかった。メタミドホスはどこで混入したのか――当面の焦点はそこにある。
天洋食品で昨年10月20日に製造された「CO・OP 手作り餃子(ギョーザ)」をのせた冷凍コンテナが中国・天津の港から、横浜に入港したのは11月5日だ。同6日には、川崎市川崎区の「日本生活協同組合連合会(日本生協連)物流センター」へ運び込まれた。翌7日に通関。この時点で初めてコンテナの封印(シーリング)が解かれ、段ボール箱が出された。1箱12袋入りが568箱あった。 センターの倉庫は24時間稼働し、絶えず人の出入りがある。ただ、生協連の担当幹部は「荷を保管する冷凍施設自体はすべて自動で搬出入するしくみ。機械の整備などがない限り、人が入ることはない」と話す。 段ボール箱はその後、冷凍用トラックで全国六つの物流センターへ。千葉向けの荷は、埼玉県越谷市の流通団地内の「日本生協連中央冷凍DC」に12月5日以降に搬入された。 店からの発注は、1都7県のコープがつくる「コープネット事業連合」(さいたま市)が受け、発送の段になると注文分が建物2階の同センターから、出荷用トラックが待つ1階の「コープネット越谷日配センター」に自動コンベヤーで下りてくる。 従業員は1、2階で計約260人。コープネットも「1階の入・出荷口にトラックが入ってくることはあっても、1、2階の冷凍施設に外部の人間が出入りする可能性はない」と断言する。 段ボール箱は日配センター内で、未開封のまま、他の冷凍食品とともに、人の背丈ほどのアイスボックスに収められ、店の売り場まで運ばれる。箱を開けるのは、陳列する直前という。 千葉市の被害者がギョーザを買った「コープ花見川店」には、12月6、11、17日にそれぞれ1箱ずつ発送された。店の担当者は「箱が変形してつぶれていただけでも日配センターに連絡するようにしている。段ボール箱がぬれたり開いたりしていたら気づいたはずだ」。 千葉県市川市の親子5人が商品を買った「コープ市川店」にも同10、13、17日に各1箱が送られた。店側は「一つひとつ商品を手にとって並べたが、袋がベタついていたとか、異臭がしたということはなかった」という。
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