大分放送局

2008年2月5日 14時5分更新

小児科の夜間救急 休止へ


日田市にある済生会日田病院が4日、「小児科医が2人しかいないいまの体制では時間外の救急患者の受け入れは難しい」として、来月から小児科については夜間の救急患者の受け入れを休止することを明らかにしました。

これは済生会日田病院の西田敬院長が4日、病院で会見して明らかにしたものです。
済生会日田病院は日田・玖珠地区で唯一、小児科の入院施設がある病院で、本来は緊急の治療などで入院が必要な程度の重い患者に対する2次救急病院の指定を県から受けています。

しかし、病院側によりますと、小児科医が比較的程度の軽い患者にも対応しなければならず、医師の負担が増えたことから去年12月、2人の小児科医を派遣している福岡県久留米市の大学病院の医局から「このままの勤務状態が続くのなら小児科医を引き上げざるを得ない」と申し出があったということです。
これを受けて済生会日田病院は小児科については土曜日の診療を無くしたほか、平日の午後の診療をことしになって辞めましたが、医師の負担は減らないとして来月から時間外の救急患者の受け入れの休止を決めました。
日田市には夜間の当番医制度があって、午後10時までは当番医の診察を受けることが可能ですが、小児科を受診したい場合やリスクを伴う出産などのケースでは、済生会日田病院で診察が受けられない午後5時から翌朝の8時半までの間、福岡県久留米市など遠くの病院にまで行かざるを得ない状況になります。
済生会日田病院の西田院長は「小児科を閉鎖することだけは何としても避けなければならず、時間外の救急患者の受け入れを辞めることにした。2人の医師の数を維持することも大事で、苦渋の決断だが、理解してほしい」と話しています。
病院側は受け入れ休止の期間は当面の間としていますが、再開のメドは立っておらず、地方における小児科医の不足は深刻さを増しています。