人権・男女共同参画・性etc. このページをアンテナに追加

2008-01-19

[]つくばみらい市のDV防止講演会、良識派の抗議で中止に

産経ウェブ版1.17に「抗議受け市の講演会中止に DV被害支援めぐり」と題する記事が出た。野牧雅子さん、小菅清氏らDV防止法犠牲家族支援の会や主権回復を目指す会、その支援者らが抗議の声を挙げていたつくばみらい市のDV防止講演会が中止になった。

 茨城県つくばみらい市が今月、開催を予定していたドメスティックバイオレンス(DV)被害者の一時避難施設「FTCシェルター」代表、平川和子さんによる講演会が、DV被害支援活動に反対する人々の抗議を受けて中止になっていたことが17日、分かった。

 市秘書広聴課は「市民危険が及ぶ恐れがあったので中止を決めた」としている。

 中止となったのは、つくばみらい市が今月20日に計画した男女共同参画講演会。「自分さえガマンすればいいの?−DV被害実態の理解と支援の実際」のタイトルで、平川さんが講演する予定だった。

 市によると、昨年12月20日、市の広報紙に予定を掲載したところ、「(平川さんの活動は)思想的に偏りがあり、公費を使った講演はふさわしくない」などとする抗議が電話メールFAXで100件以上寄せられた。

 今月16日には、講演に反対する数名が市役所前で拡声器で中止を求める騒ぎとなり、市は同日、講演中止を決定した。


「講演に反対する数名」とあるが、2つの市民団体が団体名を明らかにして情宣活動をし、市当局と話し合いもしたのだから、この書き方はフェアではない。産経記者は団体名をきちんと書くべきだろう。

はっきり言ってこの種の講演会を公費で行うのは止めてほしい。やりたければ、自前の経費負担でやればいい。DV防止法の理念はジェンダーフリー思想に彩られており、野牧さんが言うように、家族修復ではなく家族引き離し、家族破壊的だ。

行政のPRも嘘ばかり。「DVはどんな家庭にも起こり得る」というが、でたらめだ。結婚制度や家庭は夫のみならず妻にとっても、子供にとっても、何物にも代え難い避難所であるのに、まるで悪の巣窟であるかのように言い募るのは許せない。公的介入が必要になるほどのDVも確かにあるが、加害者の4割は前科者である。どんな家庭にも起こり得るといえば、あらゆる男性が潜在的加害者ということになってしまう。しかし、そんなことはないのである。

「DV被害者の大半が女性」というのもでたらめだ。

これらについては、すでに書いた。

中止になったフェミニスト平川和子女史の講演会では、「根絶!夫からの暴力」と題する内閣府男女共同参画局企画社団法人日本広報協会制作のビデオが上映される予定だった。このビデオ、実物を所有しているが、実にひどい。男性敵視に充ち満ちた内容だ。男として正視に耐えないと言っておこう。

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登場するサラリーマン男性は日常的に妻に暴力を振るう。そういう男性がいることは事実だろう。しかし、DV加害夫から妻が逃げ出そうとする時、妻は一方的に子供を連れて家を出てシェルターに避難し、行く先を告げない。そうしろと知恵を付けるのは行政だ。

行政は妻からの情報を鵜呑みにして、夫の言い分は聞かない。夫が、ある日突然いなくなった妻子を捜しに行政を訪れても、行政は知らぬ存ぜぬで嘘を付き通す。ビデオにはそういう生々しい場面も登場人物の迫真の演技で紹介されている。これでは夫をいたずらに激昂させ、逆上させるだけだ。そこには夫婦関係の修復のための行政介入という視点が全くない。

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(突如失踪した妻子を捜してあちこち電話をかける夫。家庭内では暴君だが外面は良く、親族会社関係者には世間体を気にして低姿勢を取る男性像が視聴者にインプットされる)

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(妻子を捜しに配偶者暴力相談支援センターを訪れる夫)

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(窓口で「妻は来ていないか」と尋ねる夫)

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(白々しく「そういうご相談には一切お答えできません」と答えるセンター職員。実際には妻は同センターに相談し、その指導を受けてシェルターに避難した。ここで重要なことは、センターは妻子の居所を夫に隠し、シェルターの場所も教えず、平気で嘘を付くのだが、この段階では裁判所の「保護命令」は出ていない。つまり、夫と妻のどちらの言い分が正しいか、また妻の言い分のどの程度までが真実か等について、何ら司法の判断が下されていないのに、行政は一方的に妻側の言い分を鵜呑みにして、夫から妻のみならず子供まで隔離することに全面協力しているのだ。これを理不尽といわずして何というのだろうか!)

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(「隠してるな」と怒りを露わにし、背広を叩き付ける夫)

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(逆上して抗議し、最後は憔悴する夫)

夫と妻の関係がまずくても、夫と子供の関係は良好な場合もある。もしもそうであるのに妻が子供を連れて一方的に家を出れば、これは拉致であり誘拐であるが(欧米なられっきとした犯罪だ!)、行政がそんな犯罪行為に加担してよいのか。たとえ母親でも、一方的に父親から子供を引き離す権利はない。そんなことをすれば、父親を錯乱状態に追い込むだけだ(これこそ精神的暴力だ!)。

※参考blog

何より腹が立つのは、ビデオは、日常的に妻に暴力を振るう夫、これを「どこにでもいるありふれた男性」として読者に印象づけている点だ。実際は、そういう夫(男性配偶者)は前科者だったり、暴力団員だったり、薬物常用者だったり、仕事もせずぶらぶらしていたりすることが多く、平均的な男性像とは全く相容れない。

そんな実態も知らず、ろくに物も考えずにDV防止法を推進した男性の自民党議員らは、予断を捨て去って、一度謙虚にこのビデオを見たらいい。そうしたら、同ビデオと現行DV防止法は、実は男そのもの(=見ている男性自民党議員自身)を糾弾していることに気付くだろう。保守を自認するならば、こんなおかしな法律、通してはいけなかったのだ。

時間がないので、静止画像を少しだけ引用しておいた。

さて、フェミ寄りの毎日新聞1.18も中止を報道したようなので、以下に出しておく。

DV防止法:反対団体の抗議で講演会中止 つくばみらい市

 配偶者や恋人などによる暴力「ドメスティックバイオレンス(DV)」をテーマにした講演会を20日に予定していた茨城県つくばみらい市が、被害者保護などを定めたDV防止法に批判的な市民団体などの抗議を受け、開催を断念していたことが分かった。

 講演会は市内の公民館を会場に、内閣府の専門調査会委員でDV被害者支援に取り組む平川和子・東京フェミニストセラピィセンター所長を講師に招いて開く予定だった。

 市によると、07年12月下旬にPRを始めたところ1月に入り「偏向した講演会を市費で行わないで下さい」などと記した要請書やメールが届くようになり、約100通に達した。16日朝には、市役所前で数人が拡声器を使って抗議する騒ぎが起き、市は「開催しても混乱を招き、参加者に迷惑をかける」と判断して、中止を決めた。

 開催に反対した市民側は「被害者のシェルターへの保護は家族を破壊する」などとDV防止法を批判しているが、平川さんは「DVの実態を伝えたかったので残念だ」と語った。【五味香織】

上野千鶴子応援団のみどりの一期一会がこの問題を取り上げた。フェミニストらが騒ぎ出したので、今後波紋が広がるだろう。面白いことになってきた。

苺畑カカシ苺畑カカシ 2008/01/20 10:50 遅蒔きながら、bruckner05さんのジェンダーフリーに関する一連のエントリーと、それに反論した小山エミさんのエントリーを詳しく読ませていただきました。それで私が日本のフェミニストやジェンダーフリーに関して直感的にもっていた印象や、小山エミへの第一印象などが正しかったことがわかり満足しています。それにしても日本のフェミニズムもここまでひどかったのかと改めて考えさせられました。

家庭内暴力にまでフェミニズムを持ち込むとは、ひどいものです。

bruckner05bruckner05 2008/01/20 12:18 苺畑カカシさん、コメントどうも。あの論争では小生、的はずれなことを書いた個所もあるのでお恥ずかしい限りです。ただ、大筋では間違っていないと思っています。

DVに関しては何といっても野牧雅子さんのDV防止法犠牲家族支援の会HPやブログが必見です。彼女が月刊誌「正論」に寄稿した2本の文章も載っているので是非ご覧ください。

日本のDV防止運動はアメリカの動きを追いかけている面があると思いますが、アメリカの保守派はこれにどんな風に対応しているのでしょう。ご存じでしたら是非ご紹介ください。

ポポリンポポリン 2008/01/22 00:45 アメリカでもフェミニストはいます。しかしそれに対して公費が使われるということはあり得ません。また、一方の親による子供の連れ去りや、理由のない面接の拒否は刑事犯罪なので、日本の男女参画センターのような機関は、政府による刑事犯罪集団ということになります。

ポポリンポポリン 2008/01/22 00:58 従って、司法の独立性からいって、このようなことをすると政府関係者が、誘拐あるいはその共謀犯として、少なくとも懲役刑は免れないでしょう。

また最近は父権団体が、様々な統計データを蓄え、不正が子供の成長に与える重要性を訴え、父親が親権と監護権を取る例が増えているようです。
http://ideas.repec.org/a/cem/jaecon/v5y2002n2p209-232.html
http://www.fathermag.com/news/2768-USCB.shtml

ポポリンポポリン 2008/01/22 01:07 歴史的に見ると、アメリカではOJシンプソン事件の頃からDVがクローズアップ、法律が強化されてきたのですが、今では既に家庭裁判所が既に女性の嘘が多い事に気づいており、そう簡単には証言を信用しません。今は父権団体の巻き返しの時期に入っていると思います。既に多数の父権団体や、父権専門の弁護士が活躍しています。

ポポリンポポリン 2008/01/22 01:12 これと比べると日本の法制度は数閏年遅れているように思えます。
共同親権制度、ハーグ条約の批准、親による誘拐の防止、面接や養育費の強制力、離婚裁判の後の親権の変更の制度、臨床心理士による親権者の判定

などなど、どれをとっても日本より公正な制度です。

ポポリンポポリン 2008/01/22 01:18 日本に最も欠けている概念は、子供の福祉です。
アメリカでは既に、離婚が子供に与える譜の影響が将来の犯罪の発生率や、生活保護費の増大など社会的負担となって返ってくる事が問題となり、安易な離婚を認める社会的風潮に対する反省や、統計的な分析が行われています。

ポポリンポポリン 2008/01/22 01:32 子供の福祉にとって最も好ましいのは、離婚を避けようと努力する事。それができないときには、離婚後も両方の親に自由に会えるようする事。相手に対する復讐心から子供を独占しようとする親からは親権を剥奪する、ということは当たり前の事になっています。また、離婚裁判にあたっては夫婦とは別に、子供の利益を代表する弁護士がもうひとり入る場合があります。
DVの事実を確認せずに恒久的に子供を父親から切り離そうとするのは、子供の人格形成に重大な障害を与える、重大な犯罪行為です。従って、日本の家族法を知る人たちからは、日本は子供人権を無視する野蛮な国家、西部開拓時代の無法地帯に等しいと見なされています。

ポポリンポポリン 2008/01/22 02:10 父権団体のホームページは非常に多くあるのですが
http://fathersforvirginia.org/
例えばここにあるように、データを紹介して父性の重要性をアピールしています。よく引用されるデータですが、
61%の青少年の自殺
71%の少年更生施設
71%の十代の妊娠
71%の高校中退
は父親のない家庭から生まれている、ということを紹介しています。このようなデータはとてもここでは書ききれないので省略します。また、データからは母子家庭に経済的援助を与えても、事態は改善しない。父親が子供を引き取り再婚した場合は、良い結果が得られるが、母親が実の父親以外の男性と再婚した場合は、子供に悪い影響を与えるという結果が得られています。したがって、実の父親に代わるものはなく、父性の方が母性より重要であるという主張の根拠となっています。

羅漢同盟羅漢同盟 2008/01/22 15:50 こんなバカな講演会が中止になってよかったです。
茨城県民として恥ずかしい……。

つくばみらい市よりつくば市の方がかなりヤバいです。
市役所の中枢にジェンダーフリーの工作隊が入り込んでるとかといううわさを聞きます。

I.N.R.I.I.N.R.I. 2008/01/22 23:52 のまさんの方にレスを頂きありがとうございました。
私の妻は決して誇れる女性ではありませんでした。日常的に些細な事で手を上げ、蹴りを入れ、頭を叩き、耳を引っぱるのは妻の方でした。罵られるのは挨拶代わりでした。暴力にたまりかねて私が抵抗するのです。所謂フェミの主張するパターンの逆です。配偶者への暴力を実践している妻がDV法によって匿われる不条理。「オニババが被害者でダメおやじが加害者」という構図です。それでもダメおやじはオニババとは離婚しないのです。争いの根は妻の男性関係でした。小競り合いから私は「結果的」に妻の頭に軽傷を負わせました。その事を隠すつもりはありません。しかし、逆上した妻は柳刃包丁を掴み、猛然と私に突進してきたのです。その時が初めてではありませんでした。私が表沙汰にしなかっただけです。子供のためにも。それで男が警察を呼べば夫婦関係はほぼ終わりですから。男が呑込めば数日で何事もなかったようになります。こういう男性は案外多いんじゃないのかとも思います。
調停もたったの2回目の時、妻側弁護士がこの場で離婚に応じなければ不調にする、裁判も辞さないと脅してきました。
六法法律事務所の道本周作なる弁護士です。調べたら法テラスに籍も置いているようで「ははん」と思いました。妻はほとんど所持金がなかったので。先月生活保護も下りたようですし、これからせっせと返していくのでしょうか。
来月6日の調停で幕引きでしょう。私の処刑日です。前回、子の面接交渉で揺さぶって私に「Yes」と言わせる事に成功したのですから。私は可能な限りの譲歩をし、結論を急がず別居という提案もしましたが立て板に水でした。何が何でも今すぐ離婚したい、でなければ不調にして裁判!の一点張りでした。正直、浮気相手の子でも妊娠したのかと疑うほどに頑迷でした。一体何のための調停なのか。

bruckner05bruckner05 2008/01/23 18:25 I.N.R.I.さん、よくお越し下さいました。それにしてもすさまじいお話ですね。小生も一度、野牧さんの会に参加して被害者の体験談を聞きましたが、妻が真性DVのケースはなかったように思います。

奥さんの男性関係が争いの根とのことですが、事が露見したときに貴兄から離婚話を持ち出さなかったのは何故ですか? 離婚しなくても修復できると思ったから? それとも子供が可愛そうだから? 奥さんは有利な条件で離婚できるように、夫のDVの証拠に使えそうな材料作りを狙ったのかもしれませんね。

「裁判も辞さない」というなら、受けて立つ手もあるのでは? 費用がかかって困るのは相手も同じ。向こうは子供を人質に取ってずるいやり方ですが、そこで譲歩したら相手の思うつぼかもしれませんよ。もちろん以上は素人考えです。野牧さんはじめ専門家のアドバイスに従ってください。

おまりんおまりん 2008/01/23 19:03 bruckner05sanの言うとおり裁判もありです。無能貧乏DV弁護士らは拝金主義の体たらくですから、8割方は。いい弁護士もいますけどね。脅しのプロですから多少は神経落ち着きませんが、慣れるとパターンがみえてきます。しかも確たる物を相手方は持ち得ないばかりか、、将来的に一般人のDV防止法に対しての認識が得られるとなると相手方にとっても決して左団扇ではないですから。今は相手方弁護士の名前、調停裁判官の名前を自信をもって書き留めていると言う事を相手方に示す態度を取られるとよいと思います。別に違法ではなくれっきとした権利ですから。もうしこし臨界点をこえる時が来ますからその時にそなえてましょう。

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