2008年2月4日(月)
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増える救急プラス救助
昨年は最多14件

救急車到着 玄関開かず 工作車出動

 救急車で駆け付けたが入り口のドアが開かず、工作車も出動−。帯広市消防署で昨年、こうしたケースが14件あり、過去5年間で最も多かった。1人暮らしの高齢者が増えれば今後、さらに増加する可能性もある。工作車の到着を待てば命にかかわる事態も生じかねない。しかし、防犯上「常時、鍵をかけないで」とも言えず、市消防署は「従来通りドアを壊して入るしかないのでは」と話している。(吉良敦)

市消防「高齢化進めばさらに」
 市消防署によると、24時間助けを求めることができる市の「緊急通報システム」に登録している寝たきりの高齢者らからの通報時や、症状悪化で通報後に失神した場合などにこうした事態になるという。

 昨年までの5年間に45件あり、1人暮らしは17件。このうち12件は高齢者で、2006、07年の2年間で9件に上った。市内の高齢者率は03年が16.8%(3月末現在)、07年は19.9%(同)で3.1ポイント上昇。市消防署は「高齢者が増えれば、こうしたケースはさらに増えるかもしれない」(警防課)と懸念する。

 市内の場合、通報から救急車が現場に到着するまでに要する時間は約5分。施錠されていて、通報がありながら反応がなかったり、窓越しに倒れている人が見えたりすると工作車を呼ぶ。その上で警察官や通報者の親類らに立ち会ってもらうなどしてドアを壊して中に入るのが原則だ。「最小限の破壊で済むよう注意を払っている。これまでに苦情はない」(警防課)という。

 自宅に1人でいた市内の男性(74)は昨年12月、急性心筋梗塞(こうそく)で119番通報。胸の激痛に耐えながら玄関ドアの鍵を開け、隊員が到着して間もなく意識を失った。速やかに応急処置を受けた結果、一命を取り留めた。

 市消防署は「速やかに救急車で運ばれるにはどうすればよいか、通報者にも考えてもらえれば」と、市民の協力に期待を寄せる。

 帯広市の緊急通報システム
 自宅で体調が悪くなるなどの緊急時、通報装置のボタンを押すと24時間体制で助けを求めることができるサービス。(1)1人暮らしで身体上、日常生活に注意が必要な高齢者(65歳以上)(2)寝たきりか認知症の人を病弱な高齢者が介護している高齢者だけの世帯−が対象。市消防署によると、登録件数は850件前後。

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